食の安全について  小田美恵子 6月定例県議会一般質問
 
1.市町村合併について

(1)秋田国体関連施設整備と合併推進との関連について

 始めに、市町村合併についてお伺い致します。
 本年2月から知事が始められた市町村合併トークも、間もなく県内を一巡しようとしております。知事が県内各市町村をくまなく廻られ、直接、各市町村長や議員と率直に意見交換をしたことは、県民に合併について考え始めるきっかけを与え、問題意識を共有する場となったこと、それによって合併に関する問題への理解が深まったこと、知事が直接県民の「空気」を肌で感じたこと、の三つの点で大変意義深かったものと思います。市町村合併トークを始める前には想定し得ないことも多くあったのではないかと思いますが、知事始め当局の皆様のご苦労に対し、まずもって敬意を表したいと存じます。
 さて、財政難、人口減、少子高齢化など地域を取り巻く情勢にはとても厳しいものがありますが、複雑・多様化していく地域の行政課題に適切かつ効率的に対応していくためには、市町村合併が重要な選択肢であると考えざるを得ないと思います。
 仁賀保、金浦、象潟の三町は、6月議会でそれぞれ合併協議会設置案を可決し、3万人の人口要件で市となることが認められる平成16年3月末の期日を目標に、今後合併に向けて必要な作業を法定協議会の場で進めることとなっております。それ以外の市町村においても、市町村合併調査研究会や市町村合併に関する勉強会などが設置され、合併に向けた取り組みが行われておりますが、一方、先頃公表された市町村合併に関する県民意識調査の第二次中間報告では、県が示した合併モデルパターンに対し、一部市町村においてきっぱりとした反対の声があったことは、改めて市町村合併の難しさを感じました。
 住民一人ひとりが将来のまちづくりのあり方とともに合併について真剣に考えることが必要であることは言うまでもありませんが、県民の関心も相当高まりつつあると認識できる現状で、更に合併に向けて歩みを進めるためには、県の果たすべき役割はとても大きいと考えております。具体的には、県の役割として、今後は

  1. 市町村合併という重い選択をしようとする各市町村の強い覚悟を県も共有し、積極的な支援を行うこと
  2. 先に示した合併モデルパターンに具体的な肉付けをし、県として合併後の姿について明確なビジョンを示すこと

の2点が大切だと思います。
 ここで、例えば本荘市では、平成15年度の国、県への要望事項に本荘由利総合体育施設の整備を盛り込んでおります。また、今後各市町村において平成19年の秋田国体を睨んだ施設整備も進められます。これらの施設整備を進めることと、合併推進後の施設の効果的な配置、効率的な整備を進めることの整合性・方向性について、県としてどのような対応をしていくのかお尋ね致します。

 平成19年の秋田国体に向けて、競技の開催地となっている市町村においては、厳しい財政環境の中で工夫をしながら、関連施設の整備を進めていただいております。
 しかしながら、市町村が競技の誘致を決断したのは、まだ市町村合併の議論がなされる前であり、関連施設の整備計画は、将来の合併を想定したものとはなっておりません。
 合併後の新しい市町村にあっては、そうした施設をより効率的に活用する必要があると考えますので、県としても、今後の具体的な合併協議の機会を通じて所要の調整が図られるよう働きかけてまいりたいと思います。

(2)市町村合併の推進方針について

 また、県は国と市町村との間に立ち、将来の秋田県の姿・ありようを描きながら、国に対しては主張すべきことを主張し、市町村には適切なアドバイスを行っていくという難しい役割を担って行かざるを得ないと思います。
 市町村合併に向けて、知事の今後の決意と推進方針をお聞かせください。

 私は、行政に携わる者として、子どもや孫の世代においても持続的発展が可能な地域づくりに真摯に挑戦しなければならないという強い思いを持って、市町村合併の推進に取り組んでおります。
 もとより、市町村合併は、地域の主体的な論議の下で進められるべきものでありますが、将来のまちづくりについて真剣な議論もないまま、合併特例法の期限を迎えることは、県民に対して大きな不利益を及ぼすことになるのではないかという考えから、各市町村に足を運び、合併トークで意見を交わしながら、気運の醸成に努めてまいりました。
 今後は、合併の枠組みを見据えた具体的な議論を深めていただきたいと考えており、県としても合併トークなどからうかがわれた地域の実情に十分配慮しながら、そうした市町村の前向きな取組を支援してまいりたいと考えております。
 また、このたび仁賀保町・金浦町・象潟町の三町が、本格的な合併協議や新しいまちづくり計画の作成を始めることになりましたので、関係部局が協力できる体制を一層充実し、きめ細かなアドバイスや調整に努めてまいります。

2.強く美しい東北の実現について

 次に、「強く美しい東北」の実現に向けて取るべき道路行政の展望についてお伺い致します。
 仙台市で知事サミットが開かれたその日、同じく仙台市で開催された議員研修会に参加するため、栗駒の山越えをする機会がありました。その車中で感じたことは、もっともっと道路整備が進められなければならないということでありました。
 昨年度、秋田の人が道路に対してどのような不満や希望を持っているのかを調査した、県が行った「秋田県道路整備アンケート調査」では、冬期間に圧雪や凍結などで安全に通行ができないことや、県間、または比較的離れた都市間を結ぶ主要幹線道路が必要だということなどが明らかにされております。
 最近は、地方の道路事業を代表とする、いわゆる公共事業の推進を口にすると、「構造改革」に逆行するとんでもない発言であると捉えられる風潮があります。もちろん、公共事業はもっともっときめの細かい検証が必要であると思います。ですが、雪国であり、またインフラ整備において大きく取り残されている本県にとって、今後とも地方道の整備は、地域の活性化を図る上で不可欠のものであると思います。
 過日、男女共同参画のフォーラムの折り、大先輩の女性議員の方から力強いエールを送られました。「女性だから福祉、教育と言っているのではなく、議員であるなら地域活性化を図る努力をしなければならない」と。
 秋田県は、全69市町村のうち、過疎指定市町村が34、特別豪雪指定市町村が24、辺地指定市町村が45となっており、社会的・自然的に厳しい状況にあります。市町村合併を議論する上で、「道」を合併後の地域づくりに不可欠な大きな背骨として据え、雪の降る私たちの秋田は、この「道」を通じて人や物が流通することにより強い県になっていくのだ、というビジョンを今まで以上に明確に持ち、県民に示すべき時であると思います。
 今、地域に大きな変化の波が押し寄せようとしています。今こそ雪国秋田にとって、力強い県土の創造のためにどのような道が必要なのか、熱く熱く語られなければならないのではないでしょうか。
 東北の社会資本整備のあり方を検討した「東北の地域と社会資本を考える懇談会」の提言のような、沿岸と山間を結ぶ横のネットワークが必要とする意見や、県の道路事業に対する不満・要望を住民との直接対話で聞き取り、施策に反映させていこうとする取り組みを大事にしつつ、地方道路網の整備が本県の発展に必要な社会資本整備であり、また、地域活性化とりわけ雇用の大切な受け皿であることを踏まえた上で、強く美しい東北の実現に向けて、今後の道路整備推進の基本的な考え方についてお尋ね致します。

 道路整備については「あきた21総合計画」の中で、高速交通並びに、地域間交通ネットワークの整備などを重点施策に掲げ、全国一日交通圏、県内90分及び生活圏30分交通体系等の確立を目指して積極的に取り組んでおります。
 これまでにも、各界からの要望を様々な機会を捉え、伺ってまいりましたが、昨年実施しました県民アンケート調査や住民との直接対話により、道路に対する多様なニーズが明らかになったことから、今後はこれらを道路行政に反映させてまいります。
 昨今、道路特定財源の見直しが議論され、本県においても人口や税収の減少等、厳しい状況にありますが、「地域が活発に交流・連携する秋田」の実現に向け、必要な道路整備を進めてまいります。

3.障害者の雇用機会の確保について

(1)欠格条項

 次に、障害者の雇用機会の確保についてお伺い致します。
 今6月補正予算案に企業活性化・雇用緊急対策関連事業費として2億4,900万円が計上されており、県職員の方々の企業廻り、ワークシェアリングの実施と併せ、前向きな取り組みであると高く評価しているところでありますが、依然として雇用の状況は厳しく、なかなか努力が十分成果を得ているとは言えない状況であります。そしてこのことは、多くの方がそうである以上に、障害を持っておられる方にとって一層厳しいものがあると思います。
 平成13年9月に公表された県民意識調査では、「産業が力強く前進する秋田」となるためには、「地域経済を活性化する雇用・就業の支援」が重要であるとして、高い数値が示されていました。その中には、県内就職・Aターン就職の推進とともに、障害者の雇用機会の提供ということも含まれております。
 何らかの障害を持つ方が資格を取得するに当たり、障害があることを理由に資格・免許等の付与を制限したり、特定の業務への従事やサービスの利用を制限する、大きな壁ともいうべき制約があります。法律や政令で定められた、いわゆる「欠格条項」であります。
 障害者の雇用促進を図るには、人格・能力を充分発揮できるようなサポート体制を充実させた上で、雇用機会を確保するべきであると考えます。
 じっくり向き合うサポーターを付け、障害者の人格と能力を正当に評価する「人権」を基盤にした対応で、スタートラインに立たせていただきたいと思います。目的地にたどり着くかどうかは、その後の個人の努力によると思いますが、機会については摘み取ることのないようにするべきです。
 過日、地区の高齢者の方々のゲートボール大会に行った折り、うまく話すことができない方が選手宣誓をし、仲間のご老人が並んで手話でサポートしておりました。また、ゆり養護学校の運動会の折りには、車椅子の女の子が、後ろから来る車椅子の友達のために、競争なのに道具を手渡そうと待っているという、美しい場面を目にしました。
 自分が障害を持っていても他者を思いやれる心。健全な精神を育んでくれるご家族や地域、先生方の愛情の深さに脱帽でした。みんな並んで豊かに生きていける時代でありたいと思います。
 現在、国では障害者に係る欠格条項について必要な見直しを進めているとのことですが、その方向と今後の見通しについてお聞かせください。

 障害のある方が、資格や免許取得などにおいて制限を受ける、いわゆる欠格条項については、平成11年に国の障害者施策推進本部において対処方針が決定されております。
 その考え方は、業務上必要なものを除き、できる限り、条件を緩和しようとするものであり、この方針に基づき、各種免許など63制度が見直しの対象とされ、これまでに、調理師免許や衛生管理者の欠格条項が廃止されるなど、56制度について見直しが終了しております。
 警備員等の検定資格など残り7制度については、本年度中を目途に、見直しが進められており、これら一連の制度改正により、障害者の雇用機会の拡大につながるものと期待しております。

(2)障害者の雇用対策について

 また、県や民間事業所における障害を持った方の雇用対策について、県としてはこれまでの取り組みをどう評価し、今後の推進等についてどのようなお考えをお持ちなのか、お聞かせください。

 県では秋田労働局等と連携し、職業準備訓練や職場適応訓練を実施するとともに、県単独の障害者雇用開発報奨金を支給するなど、積極的に障害者の雇用拡大に努めているところであります。
 また、秋田労働局においては、障害者重点ハローワークを中心に、障害者に対するきめ細かな職業紹介や求人開拓を行っているほか、障害者雇用に努めている事業主に対し各種助成金を支給するなど積極的に支援しております。
 この結果、本県の平成13年の障害者雇用率は、民間事業所では1.54%と前年より0.01ポイント上昇し、全国平均を上回っているものの全般的に厳しい雇用状況の中にあって、解雇者数が増加しているなど障害者の雇用情勢は依然として厳しいものと認識しております。
 今後、今年度から新たに秋田障害者職業センターにおいて実施している、職場定着を支援するジョブコーチ派遣事業の積極的な活用や、障害者の就業及び生活上の支援を日常的に実施する障害者就業・生活支援センターの早期指定を図るなど、法定雇用率1.8%達成に向けてなお一層努力してまいります。
 なお、県では、障害者の県職員への採用の機会を確保するため、平成10年度から身体障害者を対象とした職員採用試験を実施しております。
 こうした取組み等の結果、雇用率は着実に上昇し、現在、法定雇用率を達成しておりますが、今後とも、引き続き採用の機会の確保に努めるとともに、障害者の能力を十分に発揮できるような執務環境の整備を進めてまいります。

4.食の安全について

 次に、食の安全についてお伺い致します。
 BSE、いわゆる狂牛病問題に端を発し、食品の安全に対する意識が高まる中、虚偽表示に関する事件が次々と明るみになり、多くの県民は食品表示に対して、もう信頼できないと思うようになっています。あるアンケートによれば、8割の人が信頼できないと思っているという結果も出ております。このような中、政府は、食品安全委員会(仮称)の新設とともに、食品安全基本法(仮称)の制定を決定しましたが、消費者の食に対する信頼が一日も早く回復されるよう新制度の速やかな立ち上げに期待しております。
 また、6月補正予算案では、予算額は2,616千円と大きくはないものの、食品表示適正化指導事業として、食品表示ウォッチヤーを設置し食品表示の適正化を図るとともに、消費者の信頼確保に努めることが提案されておりますが、この事業の効果にも大いに期待するものであります。
 オーガニック米の生産に取り組む人たち、朝どり野菜を消費者に届けようと頑張る市場、農家民宿に取り組む女性たち、直販所で頑張る人たち、価格の暴落に泣きながらも、一所懸命やっていれば必ず消費者は帰ってくると信じて牛の世話に頑張る人たち、環境の厳しさにも負けずたばこを懸命に耕作している人たち。多くの方々が米だけに頼ってきた農業から、売れる、買ってもらえる農業、生活していける農業を目指して頑張っています。
 食品の安全性、信頼性が揺れ動いている今こそ、安心・安全な食の提供という観点からの取り組みを押し進め、それを秋田の農業発展のバネとして、顔の見える農業、安全な食物の供給地・生産地であるということを本県農業の真骨頂として、秋田を売り出すときではないでしょうか。これまでの、比較的生産面を重視した政策に加え、安心・安全を売り出す視点で取り組んでいただきたいと思います。また、そのような努力と、食についての安心・安全を求める県民を結ぶものとして「地産地消」への取り組みが重要であると考えます。「朝どり野菜」の供給、直販所、学校給食の場など、様々に取り組まれていると思いますが、地産地消の状況を含め、食の安全の観点から、今後の秋田県の農業に対する取り組みについて、その決意をお聞きかせください。

 食への信頼を確保するため、安全で安心できる農産物を供給することは、日本有数の農業県である本県にとって、大きな責務であると認識しております。
 これまでも、安全で安心できる農産物の産地づくりの一環として、減農薬・減化学肥料による特別栽培農産物の認証制度を創設し、その普及を図るとともに、農業が身近で顔の見えるものとなるよう、生産者と消費者をつなぐ地産地消運動を展開してまいりました。
 この結果、特別栽培農産物の生産に取り組む農家は、昨年度に比べ約三割増加しており、また、女性農業者グループなどによる直売活動の活発化、卸売市場の「午後せり」の実施、量販店の「地産地消コーナー」の設置など、県内の活動の裾野が広がりつつあります。
 昨年のBSE発生を契機として、「食」の源である農業においては、マーケティングに基づき消費者の志向を更に確実にとらえ、これまで以上に安全で安心できる農産物の生産を推進していかなくてはならないものと考えております。
 今後とも、地産地消運動の積極的な展開を図り、生産者が「安全・安心」をキーワードとして、やる気と誇りを持てる農業の確立を目指してまいります。

5.介護保険制度について

 次に、介護保険制度についてお伺い致します。
 利用者が自らサービスの種類や事業者を選びケアプランに基づいた医療・福祉のサービスの総合的利用、所得に関わらず1割を利用者負担とする等、社会全体で老後を支え合う制度として創設された介護保険制度の施行から、本年で3年目となります。
 報道によれば、全国の中では、来年4月から介護保険料の引き上げを予定している市町村も多いとのことであり、本県でも、市町村の介護保険財政を支えるために県が設置した「財政安定化基金」から借り入れをする町村が増えている、とのことですが、市町村の介護保険財政について、現状はどうなっているのでしょうか。また、厚生労働省において、介護報酬などに関し本格的な見直し作業を進めているとも聞いておりますが、県の対応についてお伺い致します。
 また、市町村合併に向けて、この制度の方向性はどのようになるのか併せてお尋ね致します。
 更に、介護サービスが必要になった時、すぐサービスが受けられるための前提として、市町村の認定審査を受けていることが必要となりますが、65歳以上の対象者のうち、既に認定審査を受けている方々はどの位の割合となっているのかお伺い致します。

 市町村の介護保険財政については、平成12年度決算では、全ての市町村が黒字で、全体では19億3,700万円の黒字となっております。
 しかし、サービスの利用が増加している中で、支払資金がひっ迫していることにより、財政安定化基金からの借り入れが、平成12年度の二町から、平成13年度は9町村に増えております。
 今後とも、サービス利用の伸びが見込まれますので、財政状況の動向については注視していく必要があると考えております。
 現在、国では介護報酬体系などの見直しを行っており、市町村においても、平成15年度からの次期介護保険事業計画の策定作業に着手しております。
 県といたしましては、市町村に対して、現計画の実績を踏まえ、住民の合意形成を図りながら、地域の実情に即した計画づくりを進めるよう指導するとともに、平成11年度に策定した「お達者あきたサポートプラン」の見直しを行い、事業の円滑な実施に向けて支援してまいります。
 次に、市町村合併と介護保険制度についてでありますが、市町村間で合併をも含めて広域的にこの制度に取り組むことは、効率的な事務処理体制をはじめ、安定的な財政基盤や効果的なサービスの供給体制を確立する上で、有効な手段と考えます。
 市町村合併を行う保険者に対しては、国の「介護保険広域化支援事業」で、広域連携事務処理システムの構築や広域化関連検討会の開催等各種事業実施への支援が盛り込まれておりますので、県といたしましては、市町村に対して周知を図るとともに、事業の円滑な実施に努めてまいります。
 また、要支援、要介護に認定された方については平成14年3月末現在で65歳以上人口の13.7%、40,054人となっており、制度の導入時に比較して10,816人の増加となっております。

6.学校図書館の充実について

 次に、学校図書館の充実についてお伺い致します。
 先日、日・米・中の高校生の意識に関する比較調査の記事を読んだところ、とても残念な結果が出ておりました。「自分は駄目な人間だと思うことがある」という高校生の割合が、米国48%、中国37%のところ、日本はなんと73%だというのです。更に日本の高校生の勉強時間は、22年前の半分になったとも報じられております。今春から実施された学校完全五日制の対応も含めて、もっともっと学ぶ喜びを発見できる場を再確認するべきなのではと思います。
 子供達にとって、現在の日本社会は、あらゆる情報がとびかい、与えられ、情報量について一見何の不足もない環境に暮らしているようです。しかし、自分の生き方に自信が持てず、勉強にも熱がない、ということから考えると、自ら他に働きかけて獲得し、血肉となる確かな知識と情報が充分得られていないのではないでしょうか。
 自ら学び、考え、解決し、生き方について自覚を深めるゆとり教育の一つの手法として、私は読書ということに着目しております。読書により子供たちが自分の力に気づき、自信と誇りを持てるよう、私たちは、読書を取り巻く環境の整備に、更なる努力をしなければならないと思います。
 ここで、学校における読書の環境づくりとして、学校図書館が大きな役割を果たすと思います。本県の学校図書費、小・中・高校に必要な蔵書の基準数、司書教諭の充実度の現状はどうなっているのでしょうか。また、今後どのように学校図書館の充実を図っていくのかお伺い致します。

 小田議員から御質問のありました、学校図書の充実についてお答えいたします。
 子どもたちが人生をよりよく生きる力を身に付けるために、読書は、必要不可欠なものでありますが、子どもたちの興味は、どちらかといえばテレビやゲームなどに向きがちで、活字離れ・読書離れが指摘されてまいりました。そうした中で、現在小・中学校においては、日常的に読書活動を行っている学校が94%にのぼっており、積極的に読書に親しむ活動が定着してきているものと考えております。
 本県の学校における図書購入費は、年間一校当たり小・中・高それぞれで約30万円、50万円、80万円となっております。
 必要な蔵書の基準につきましては、平成5年の文部省「学校図書館図書標準」によりますと、例えば12学級規模の小学校では約8,000冊、中学校では約1万1,000冊が必要となっております。
本県では、全国と比較できる最新のデータによれば基準を75%以上満たしている学校は、小学校では50%、中学校は33%と、全国をやや下回っております。高等学校の基準は、昭和29年以来変更になっておりませんが、12学級規模で約2,600冊となっております。
本県高校の蔵書数は一校平均約2万冊で、ほぼ全国並であります。
 学校では、これまでも図書担当の教員を配置し、児童・生徒の委員会活動を支援しながら、日常の読書指導に当たってきているところですが、来年度からは12学級以上の小・中・高、あわせて155校に司書教諭を配置いたします。
 今後は、蔵書数を増やすということと併せて、学校間での図書の共用や地域の公共図書舘との連携など、図書舘のネットワーク化を推進するとともに、ボランティアの協力を得て、子どもへの読み聞かせや読書会などを通して、学校図書館が地域の活動拠点となるよう努めてまいります。
 なお、市町村教育委員会に対しては、学校図書館のより一層の充実を図るよう指導してまいります。

7.男女共同参画社会について

(1)保育所の現状について

 次に、男女共同参画社会の実現についてお伺い致します。
 県の積極的な取り組みもあり、女性議会の開催、ハーモニープラザの設置、秋田県男女共同参画推進条例の制定など、女性政策は順調に進んできたと評価することができ、その努力を多としたいと思います。
 指標をみると、県の各種委員会や審議会の女性登用率は、平成14年4月1日現在で23.8%であり、前年度より6.4ポイントアップしたとのことで、「あきた21総合計画」では14年度で25%、22年度で40%という目標値を掲げていますが、遠い話ではなくなったようです。議会では、13年10月現在で、市町村議会の女性議員数が、総議員定数1,286名中40名、参画率3.1%となっております。全国では6.5%となっており、まだまだこれからという数字ですが、年々向上しております。
 しかし、男女共同参画社会とは本来、男性、女性が平等に向き合い担うことが基本なのに、現実の姿は、女性にとって昔も今も子育てが重い仕事であることに変わりはなく、母親になる女性が大きな負担を強いられているのです。
 そのことを示す指標の一例を挙げると、これほど子育て環境の充実の必要性が叫ばれ、実際様々な手立てが尽くされてきているというのに、平成13年度「秋田県人口動態の概況」によれば、乳児・新生児に関して、12年度より13年度の方が、出生数が減少する一方で死産数は増加しており、また婚姻件数は増えているのに離婚件数も増加しているという結果となっていることに大きなとまどいを感じざるを得ません。
 子供を産み育てることの最初の段階でのこのような悲しい指標が、女性の様々な社会参画の向上とは裏腹に、子育て中の若い世代の女性にとって未だ負担が軽減されていないという実状を表しているのではないか、ということをみんなが重く受け止めなければならないのではないでしょうか。特に我が県は、少子・高齢化の進行のすさまじい県なのですから。
 魁となった女性たちの思いにあらためて触れながら、男女差別の解消、男女共同参画社会の推進のためには、男女混合名簿がどうこうといった末節のことではなく、生物としての男女は違うものなのだということの肯定から出発し、お互いの違いを正しく認め合い、それぞれの役割と協力について、しっかり認識することが前提になければならないと思います。
 これからの時代を担う人たちを取り込んだ秋田らしい男女共同参画社会の推進のためには、少子化対策の充実が必要と考えますが、保育所の待機児童の現状はどうなっているのでしょうか。また、認可、認可外保育所は何カ所あり、全体として充足しているのでしょうか。

 県全体では、平成十四年四月現在、認可保育所が247ケ所、へき地保育所等の保育施設が103ケ所、認可外保育施設が35ケ所となっております。
 これら保育施設へ、今年度当初には22,396人の入所申し込みがありましたが、待機児童は、現在、秋田市の約300人を除き、他の市町村では発生しておりません。
 県としては、秋田市には適切な解消策を講ずるよう促すとともに、他の市町村に対しては、新たに待機児童が発生しないよう指導してまいります。

(2)里親制度について

 また、戦後の里親制度のもと、多くの方が里親に守り育てられ、社会に出て持てる力を発揮することができました。この制度に関わってこられた方々のご尽力に心から感謝致します。里親の助けを借り対面的に子供を育んでいく里親制度は、子育て支援策として是非、大事にしていってもらいたい制度だと思います。里親制度の、本県の現状と今後の対応についてお聞き致します。
 いろいろな試行錯誤をし、少子化の改善が図られ、真の男女共同参画社会の推進を期待します。

 家庭での養育に欠ける児童が、温かい愛情と正しい理解を持った家庭で生活できるよう、昭和20年から、児童福祉法に基づき、里親制度を実施しております。
 県内では、平成14年6月現在、里親として103世帯が登録され、養育されている児童は16名となっておりますが、里親登録された方々の高齢化や里親委託の希望者の減少により、里親、児童、双方ともに減少傾向にあります。
 最近では、養護施設等での集団生活になじめない児童や、増加傾向にある虐待を受けた児童の受入先として、里親の役割の重要性があらためて見直されてきております。
 国では、この秋口から、虐待を受けた児童等の専門的なケアを行う「専門里親」制度の導入が予定されております。
 県といたしましては、児童がより良い環境で成長できるよう、里親に対する各種研修の充実をはじめ、広く制度の周知を図るとともに、里親や児童の多様なニーズに対応するため、この新たな制度にも積極的に取り組んでまいります。

8.児童虐待の防止について

 次に、児童虐待の防止について県警本部長にお伺い致します。
 近年児童が被害者となる犯罪事件が多発し、社会が大きく変化してしまったことを痛感しながら、とりわけ実の親に死に至らしめられた子供についての報道に、胸が締め付けられる思いがします。
 児童虐待という問題がこれほど深刻化した背景には、私たちが社会的に解決していくべき要因があるに違いありませんが、まず緊急の課題として、自分を守ることができない、助けを呼ぶこともできない小さな命を、なかなか表に現れず日常に隠れている虐待から守るためには、DV被害者支援と同様、行政、警察を始め地域や社会の様々な部門が協力し合い、継続して事に当たらなければならないと思います。
 ここで、県内の児童虐待の件数とその動向はどうなっているのでしょうか。また、現在、児童虐待に関してどのような対処・対策がなされているのでしょうか。そして、児童虐待を未然に防ぎ、事件・事故を防止するためには、今後どのような対策が必要と考えておられるのかお尋ね致します。

 ご質問のありました児童虐待事案についてお答えします。
 まず、取扱いの状況についてでありますが、昨年は、被害児童が6件17人で、うち9人の児童を関係機関と連携し児童相談所に保護しております。他の8人については、児童相談所、福祉事務所等と連携して虐待が継続・拡大しないよう指導を行ってきたところであります。本年に入ってからは逮捕事件が1件1名となっております。
 この種事案は、潜在化して表面に出ないのが特徴となっております。
 県警としましては、巡回連絡、生活安全相談等日常の警察活動を通じて、この種事案の発見に努め、悪質な事案については、積極的に事件化するとともに、児童相談所等の専門的機関との緊密な連携を図りながら、保護対策を推進するなど対処して参りたいと考えております。

9.あきた魅力発信事業について

 最後に、あきた魅力発信事業についてお伺い致します。
 私としては、今回県が全額負担する形の、山本寛斎氏による事業の提案に疑問を感じています。昨日の金谷議員の再質問に対する答弁の中で、知事は「対応」という言葉の解釈をおっしゃられました。このことに対しては、言葉の意味を聞いているのではなく、事業の取り組みについて、YESかNOか明確なお答えを求めているのです。したがって、改めて知事の明解なご見解を問うものであります。

 この事業については、今後、イベントの規模、実施方法、時期、事業経費など、企画の内容を十分吟味したうえで、最終的な判断をいたしたいと思います。

(詳しくは事務所までお問い合せ下さい。)

今回多くの傍聴の方々の御参加をえ、議会はじめ当局のご協力で、手話通訳者や要約筆記者をサポートしていただき、無事に一般質問を終えることができました。ありがとうございました。