介護保険制度について 小田美恵子 9月定例県議会一般質問
 
Q1.国に対する提案・要望について

 従来、国への要望に当たっては、箇所別や具体的な事業に関する予算獲得に重きを置いた「予算要望型」として取りまとめてまいりました。
しかし、国と地方が対等の立場で政策の実現を目指す地方分権の時代にあっては、地方は、予算に対して陳情・要望するだけではなく、主体的な政策提案を行い、国はそれを受け止めて、責務を果たしていくという関係が大事であると思います。こうしたことから、平成15年度要望からは「政策提案型」に軸足を移すこととしました。
 平成16年度の提案・要望においては、この方針を一層押し進め、国に対してはっきり意見を申し述べて、制度の創設や具体的な政策を実現するよう求めております。
 このため、提案・要望中の新規項目の割合は、約4割を占めるまでになりました。
 また、提案・要望の取りまとめに当たっては、現場主義に徹して地域の意向を十分に汲み取るとともに、政策評価制度や県民意識調査を通じて、国に対して主張するタイムリーな課題抽出に努めるようにしております。
 さらに、国との折衝・協議に当たっては、「提案・要望」の実現に向けて、個別事業も具体的に例示し、地域の実情を説明して、国の積極的な取り組みを要請しております。
 地方分権の時代にあっては、国と地方の関係にも大きな見直しが必要であります。要望が今回のような形になったのも、これまでのような「あれもこれも」ではなく、秋田の主張が十分理解されるよう内容を吟味して、地方の自立が求められる時代に相応しい提案・要望としたためであることを、ご理解いただきたいと思います。

Q2.男女共同参画社会について

 男女共同参画の推進において「ジエンダーフリー」という言葉が、女性と男性の違いを一切認めないという意味で使われる場合がありますが、本来の男女共同参画社会は、全ての人が性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮できる社会であり、「男らしさ」や「女らしさ」を画一的に否定するものではないと考えております。
 また、家庭における男女共同参画は、家族がお互いに理解し、協力し合うことで、家庭と仕事を両立できる環境をつくっていこうとするものであり、そのためには、家族間の調和が何よりも重要であります。
 本県における条例も、こうした考え方に基づいているものであり、ご提案の、男女共同参画の推進において、家族の強いきずなが大切であるという趣旨については、フォーラムの開催やパンフレットの配布など、各種事業を展開する中で、一層、その徹底を図ってまいります。
 いずれにいたしましても、男女が対等なパートナーとしてお互いを尊重し合い、社会のあらゆる分野で共に活躍していくことが、本当の意味での男女共同参画の姿であり、その実現がなければ、21世紀の社会が維持できないものと考えております。
 そのためには、息の長い取り組みが必要と思われますので、一層、市町村での推進を図るとともに、私自身も、引き続き、県内各地で行われる住民フォーラムに出席するなど、あらゆる機会を通じ、男女共同参画を積極的に進めてまいります。

Q3.本県の農業について

1.食の三位一体改革と食料供給基地の確立について
 これからの本県農業は、安全と安心を保証するトレーサビリティ、生産者の顔が見える地産地消、地域の伝統食や特産物の価値を見直すスローフード運動を基本として、展開しなければならないと考えております。
 このため、米・野菜・牛肉などについて、トレーサビリティシステムの運用を10月以降、順次スタートさせ食の安全・安心を確保することにしております。
また、地産地消については、本県農産物のよさを県民一人ひとりに理解していただき、県外市場にもその魅力をアピールするため、秋田産デーや県産農産物フェアなどのキャンペーンを展開し、消費拡大と生産者意欲の向上を図ってまいります。
 スローフード運動については、地域に根ざした食材や伝統食を、学校給食をはじめ様々なイベントを通じ、多くの県民に味わっていただき、地域ならではの食文化の醸成に努めてまいります。
 今後も、こうした取り組みを効果的に推進するため、消費者や生産者と行政が、一体となった県民運動を展開してまいります。
 さらに、これらの取り組みに加え、マーケティングに基づいた生産・販売体制づくりを進め、気候・風土に恵まれた本県農業の優位性を十分に発揮することにより、全国に誇る食料供給基地になれると確信しております。

2.農林統合後の成果について
 統合2年目を迎え、また、本年度の地域振興局の設置に伴う、農林部門の総合調整機能の強化により、組織の面でも、職員意識の面でも、農林の一体化は一段と進んできております。
 この結果、名実ともに、農林業及び農山漁村地域の振興に向けた、総合的な支援体制が確立され、効率的かつ、きめ細やかな行政サービスが提供できるようになったものと考えております。
 特に、特用林産の振興、「山・里・海」を通じたグリーンツーリズムや地産地消の推進、こまちチャンネルによる情報発信、公共事業への木材や木製品の活用などの面では、施策の統合化や集中化による相乗効果が現れてきております。
 農林水産業は、産業としての発展はもちろん、本県の誇るべき自然環境を維持する担い手でもあり、農林統合を契機に策定された「水と緑の条例」や「秋田の農林水産業と農山漁村を元気づける条例」の基本理念の実現に、なお一層努力してまいりたいと存じます。

Q4.介護保険制度について

 この制度は、高齢者が介護を必要とする状態となっても、日常生活に必要なサービスを提供することにより、家族や隣人とともに住み慣れた環境の中で、可能な限り自立した生活が続けられるよう、「在宅重視」を基本として構築されております。
 この制度がスタートしてから丸3年が経過した現在、本県の要支援・要介護者数は、45,276人となっており、そのうち訪問介護やデイサービスなどの在宅サービスの利用者数は、23,937人と、制度スタート時点と比較して、約2倍の伸びとなっております。依然として特別養護老人ホームなどの施設への志向が根強い中で、多くの利用者が現在の在宅サービスに満足感を持っており、特にサービスが気兼ねなく利用でき、家族介護が軽減されるようになったことは、高く評価されております。
 なかでもこの間、痴呆性高齢者を対象としたグループホームが9カ所から58カ所へ大きく伸びているのが特徴であり、第2期計画においては、こうしたグループホームを住み慣れた地域の介護拠点として、各地に増設することとしております。
 このように、引き続き、在宅重視の理念のもとに、介護の実態に対応したサービス基盤の充実に取り組んでまいります。
 また、国では現在、自宅と施設の中間に新たな生活の場を設けることにより、訪問介護やデイサービス、ショートステイなどの在宅サービスを利用した方が、いよいよ在宅での生活が難しくなった場合には、そのまま入居して生活することができるような仕組みを検討しております。その場では、顔見知りのスタッフから切れ目のないサービスを受けることができ、さらに日中の通所サービス、一時的な宿泊、緊急時や夜間の訪問サービスなどを一体的に提供することが考えられております。
 県といたしましては、これまで、より身近なところで、必要なときに、いつでも、便利で、質の高い介護サービスが受けられるよう、いわゆる「コンビニ型福祉」サービスの仕組みづくりをすすめてきておりますが、基本的な考え方は共通しておりますので、こうした国の考えを踏まえながら、在宅重視に基づいた施策の充実に一層努めてまいりたいと考えております。
 次に、第三者評価の導入についてでありますが、介護保険制度は、利用者が必要なサービスを自ら選択するという仕組みとなっておりますので、良質なサービスを適切に提供するためには、サービスの質の客観的な評価と、その評価に基づいた情報を広く提供することが不可欠であります。
 このため、県では、平成13年度から、各種介護サービスの「自己評価基準」を作成し、それぞれの事業者に対して、すみやかな自己評価の実施と、その結果の市町村や利用者に対する公表を指導してきたところであります。
 また、第三者による評価については、痴呆性高齢者グループホームは、平成14年度から3年計画で実施されており、さらに、平成17年度以降には、訪問介護、通所介護、特別養護老人ホームなど7種類のサービスについても拡大される方向で検討されておりますので、これらの第三者評価の円滑な実施に向けて、県内における評価員の育成や評価機関の選定等、必要な体制づくりを進めてまいります。

Q5.雇用問題について

1.雇用対策の充実について
 本県経済は、主力の電気機械に生産回復の兆しが見られるほか、全国的な企業収益の改善や株価の上昇などもあって、先行きに若干の期待感が持てる状況になってきておりますが、7月の有効求人倍率が0.41倍と低水準で推移するなど、依然として雇用機会の回復が見られない状況にあります。
 県におきましては、これまで雇用創出プログラムに基づき、緊急雇用創出特別基金事業の推進や、新規創業の活発化、コールセンターの誘致など、雇用の場の創出を図ってきたほか、既存企業の活性化に向けて、経営革新やマーケティング強化等に対して重点的な支援をしてまいりました。
 また、本年4月には総合雇用支援センターを設置し、生活やメンタルヘルス面も含め、離職者に対するきめ細かな支援にも努めてきたところです。
 さらに、現在、求人の大幅な減少やミスマッチの拡大等により雇用情勢が厳しくなっている若年層については、「教育段階における取り組みの強化」、「若年未就業者・フリーター対策の強化」、「若年者の新規創業や農林水産業への就業促進」を柱とする「若年者雇用総合対策プログラム」を策定することとしております。
 今議会においてその素案をお示ししますが、国で進めている「若者自立・挑戦プラン」の進捗状況や県議会、有識者、労使団体など県内各層の意見を踏まえながら具体策をとりまとめ、若年者の未就業者増加に歯止めをかけてまいりたいと考えております。
 なお、グローバル化が進み、デフレ基調が続く中、雇用関係を含むこれまでの経済社会システムは大きな転換期にあると認識しており、今後の雇用対策としても、ライフスタイルに即した多様な働き方が実現できる環境づくりなど、従来の枠を超えた取り組みが必要と考えております。

2.県職員の早期退職制度について
 本制度は、今年度及び来年度において、県職員の早期退職の促進を図ろうとするものでありますが、その導入の背景といたしましては、一つは、県職員の高齢化や年齢構成のアンバランス、さらには定員の縮減に伴う新規採用枠の縮小等による、組織活力の低下が懸念される状況を、挙げることができます。
 また、いま一つは、少子高齢化社会の到来や経済の成熟化、さらには個人の価値観の多様化等による、ライフスタイルや就業意識の多様化が挙げられ、こうした傾向は、昨年度、職員を対象にして実施した、多様な働き方に関するアンケート調査の結果でも明らかとなっております。
 本制度を導入することで、総人件費の抑制や、職員の年齢構成バランスの適正化、新規学卒者等の採用枠の拡大による、県組織の活性化が期待できるとともに、県職員の多様な働き方に関するニーズにも、応えようとするものであります。
 なお、本制度の適用対象者を35歳以上としましたのは、特に教職員については、40歳前後の職員が全体の半数近くを占めていること、また、本制度が、若年層を含む県職員の多様な働き方の実現にも配慮したものであり、できる限り多くの職員を、対象にしようとする趣旨からであります。

Q6.教育問題について

1.学校の耐震診断について
 小田議員から御質問のありました教育問題2点についてお答えいたします。
 1点目の学校の耐震診断についてでありますが、本県において、小中学校の校舎や体育館1,547棟のうち、昭和57年以降に建設され、耐震性が確保されているのは664棟でほぼ全国並みの42.9パーセントとなっておりますが、昭和56年以前に建設され、耐震診断が必要とされているのは952棟で、そのうち耐震診断を実施したのは92棟、9.7パーセントとなっております。
 市町村において耐震診断が進まない理由としては、診断及び補強に多額の経費を要することや、少子化による学校の統廃合や校舎の改築計画、さらには市町村合併後の計画が不透明であることなどによるものと考えております。
 学校は、子どもたちにとって生活の大半を過ごす場であり、地震など不測の災害の際は地域住民の避難場所ともなることから、耐震性を確保することは重要であり、今後も県教育委員会では、設置者である市町村に対し、早期に耐震診断を実施するよう指導してまいります。

2.語学特区の創設について
 2点目の語学特区の創設についてでありますが、特区制度は、昨年度から始まつた、地域の特性に応じて規制の特例措置を適用する制度でありますが、教育分野に限りますと、市町村単位で特区認定を受けているのがほとんどであります。本県では、特区制度創設以前から、全ての学校における教育活動の充実と、活力に満ちた学校づくりを行うために、現行制度の枠内でできうるあらゆる工夫を行い、国の理解を得ながら、全国に先駆けて、例えば、小中学校の低学年における少人数学習のための30人程度学級の実現や、相互に教員を派遣し合う私学との人事交流、高校生を助手として小学校へ派遣するプログラムなど、様々な施策を全県域において実施してきております。
 英語教育に関しましては、国際化が急速に進展していく中で、県教育委員会では今年度、「現代版『読み・書き・そろばん』」として、英語による実践的コミュニケーション能力の育成を図っているところであります。
 さらに、現在「英語が話せる秋田の子ども」の育成のための行動計画を策定中であり、この中で、来春開学予定の国際教養大学と密接な連携を図りながら、これまで以上に、実践的コミュニケーション能力の育成を重視した英語教育を実施するとともに、生きた英語に触れ国際感覚を磨く英語学習、教員研修の充実などを図るために、優れた専門性を持つ外国人を教諭として任用するための持区申請を検討しているところであります。
 今後は、小中学生のひきこもり児童生徒に対するインターネットを用いた在宅学習や、不登校児童生徒に対する学びの場の設置など、対象を限定して実施することが有効である様々な課題につきましても、特区申請をしたいと考えております。

Q7.治安対策について

 ご質問のありました「治安対策」についてお答えします。
 最近の我が国の治安情勢は、刑法犯の認知件数が毎年戦後最多を更新し、昨年は、285万件を超えて、昭和50年代の約2倍に達するなど、大変厳しい情勢が続いております。
 当県においては、平成10年以降、刑法犯認知件数が、12,000件前後と、これまでにない高水準で推移し、街頭犯罪や侵入犯罪など、県民に身近な不安を与える犯罪が多発しております。
 県警では、こうした深刻な事態に歯止めをかけ、県民の不安を取り除くため、本年を「治安回復元年」と位置づけ、「街頭犯罪や侵入犯罪の総量抑止」を新たな組織目標として掲げて、防犯と検挙の両面から、総力を挙げた取り組みを推進しているところであります。
 具体的には、日々の犯罪発生状況を分析して、犯罪の実態に合わせ、機動力を有する専門的組織である機動捜査隊や機動遊撃隊を投入するなど、集中的な捜査を推進し、迅速な検挙対策をとっております。
 また、県・教育庁と一体となった少年非行防止活動と併せ、大館警察署によるハチ公エンジェルスの結成等、各地域の特色を生かした地域ぐるみの防犯活動を強力に展開しております。
 これらの対策により8月末時点においては、県内の刑法犯認知件数は、昨年比で14.1パーセント減少し、特に対策の重点とした少年非行対策では、刑法犯で検挙された少年が、昨年比で23.5パーセント減少するなど、着実に大きな成果を上げつつあるところであります。
 さて、ご質問の「携帯電話を利用した悪質な債権取り立てに対する対応」についてお答えします。
 県警では、警察本部の県民安全相談センター及び各警察署の住民安全相談所において、昼夜を問わず悪質商法等に関わる相談を受理しており、ご指摘の携帯電話を利用したいわゆるヤミ金融事犯や架空請求に関わる事案も急増しているところであります。
 このようなヤミ金融事犯の相談があった場合には、法定利息以上は支払う必要がなく、過払いした分については返還請求できること、また架空請求に対しては絶対に電話を架けないことなど具体的に対応策を教示しております。
 また、架空請求事案の被害の拡大を防止するため、本年6月1日から、全国に先駆けて「銀行口座の凍結」依頼を全国の金融機関に対して行っており、8月末現在、8機関・27の口座が凍結され、直前で被害を防止または回復するなどの成果を上げております。
 以上のような対策とともに、悪質業者に対しては、あらゆる法令を適用し、強力な取り締まりに努めているところであり、本年は、1月に秋田市内に居住する「090金融業者」を無登録営業及び高金利事犯で検挙するなど、これまでに6業者を摘発し、被害顧客数約12,000人に関わる事件を解決しております。
 今後とも、警察本部内に設置した「ヤミ金融集中取締堆進本部」を中心に、悪質業者の摘発を推進してまいります。
 次に「沿岸部の警備状況」についてお答えします。
 秋田県は263キロメートルと長い沿岸線を有し、また、能代、船川、秋田の3港には年間700隻を超える外国船が入港しており、船舶を利用した不法入国等を始めとする各種事案の発生が懸念されるところであります。
 これまでも、県内では、昭和56年8月5日に発生した「男鹿脇本事件」で、不法入国した男性1人を検挙しており、また、平成10年1月5日には、秋田港に入港した定期コンテナ船で集団密航した外国人12人全員を検挙しております。
 このため、県警としましては、沿岸線におけるパトロールや入港船舶に対する警戒等を実施するとともに、海上保安部、入国管理局、税関等の関係機関とも連携して、沿岸における犯罪抑止のための諸対策を推進しているところであります。
 また、沿岸地域に民間で組織されている沿岸防犯協会とも緊密に連携し、防犯看板やポスターの掲示、広報紙の発行等を通じて、不審情報の提供等を呼び掛けているところであり、今後とも、地域の皆様と一体となって、不法事案の防圧に努めてまいります。
 以上、小田議員のご質問に対し、県警察活動の要点を申し述べましたが、議員冒頭にご指摘のとおり、「治安の悪化」とその「立て直し策」が、国家レベルでの緊急課題となる中、秋田県民の暮らしの安全と安心を守る行政の責務は重大であります。県警は、県民の期待と要望を切実に受け止め、県警の本分たる犯罪捜査を強力に推進するとともに、地域、関係機関と一体となった更なる防犯施策の充実に努めてまいります。
(詳しくは事務所までお問い合せ下さい。)

今回多くの傍聴の方々の御参加をえ、議会はじめ当局のご協力で、無事に一般質問を終えることができました。ありがとうございました。