小田美恵子 9月定例県議会一般質問
 
Q1.地方分権について

1.三位一体改革への対応について
 私は、国が権限と財源で地方を画一的に規制するようなことは、もはやすべきではないと考えております。
 義務教育であっても、地方の責任と自主性に委ね、それぞれの地域が互いに競い合いながら創意工夫し、地域に根ざした文化や特色を活かした教育を行うことができるようにすることが、これからの社会にふさわしいあり方であると考えております。
 義務教育をはじめとして、法令等によって義務づけられた行政サービスを、国民に提供するために必要となる財源は、確実に確保されるべきであり、同時に、税源移譲に伴う地方公共団体間の財政力格差も是正されなければなりません。
 地方交付税制度が有する財源保障や財源調整機能は、今後とも維持していく必要があると考えております。私は、このたびの三位一体の改革は、国と地方の行財政システムを根幹から変革することにあると考えております。
 しかしながら、これまでの国の一連の対応を見たとき、未だ省益や権限にとらわれ、地方の自主・自立こそが我が国の活性化につながるという視点を欠いていると言わざるを得ません。このまま足踏みの状態でいると、国全体が行き詰まり、国民が夢や帝望を持てない社会になってしまうのではないか、と深く憂慮するものであります。
 国と地方が、権限や財源をめぐって争うのではなく、国民にとって何が利益になるのか、望ましい分権型社会のあり方とは何であるのか、という大局的観点から、互いの立場や利害を乗り越えて、スピードある改革に取り組むことが、今、最も必要なことであると思います。

2.規制緩和について
 次期行財政改革では、地域、県民のもつ活力を最大限に生かして、新たな経済的価値の創出や地域の活性化を図るため、地域活動の障害となっている規制緩和を進めることとしております。
 特に、各地域に設置されている公共施設については、地域活性化を図るうえで、効率的な活用を促進することが重要であり、これまで県民から寄せられた規制緩和に関する要望・意見においても、多面的な活用に対する期待は大きいものがあります。
 現在、国や県の補助金で設置された施設等については、当初の事業目的に基づき、その利活用が制限されておりますが、次期行財政改革では、県の補助事業により整備された公共施設については、その有効活用を促進するため、本来の活用目的にかかわらず住民ニーズに沿って、できるだけ広範な活用が可能となるよう検討を進めております。
 なお、現状では、国の補助事業により整備された公共施設については、構造改革特区や地域再生制度を活用する以外に、補助金の返還を伴わないで、目的外使用を可能とする制度的な方法はありません。
 右肩上がりの経済の下で多様な公共施設が造られた時代は終わり、今は、そのストックを如何に有効に活用するかが問われる時代になりました。
 私は、県民にとって公益性や有益性が高く、県民の多様な活動の促進に資するものは、その活用について一切規制すべきではないと考えております。
 こうしたことから、県として、国等に目的外使用について直接交渉を行うなど、できる限りの努力をしたいと考えておりますが、それでも理解を得ることが困難なものについては、解決策を県自ら条例化することも含め、規制緩和に向け最大限の努力をしてまいります。
 また、こうした県の取り組みを手がかりとして、市町村の公共施設においても規制緩和が進展するよう働きかけてまいります。

3.新たな公営住宅の建設について
 県としては、従来から低廉で安心に暮らせる住宅の整備に努めてきており、これまでは、老朽化した県営住宅の建替や改修を重点的に進めてきたところであります。
 一方、パートやアルバイトの増加にみられるように、雇用形態の多様化が進み、収入が安定しないことによる生活不安の広がりが懸念されております。
 また、さらに経済不況による低所得者の増加により、公営住宅に対するニーズが高まってきております。そのため、特に応募倍率の高い秋田市内において、来年度より、県営住宅の建設事業を南ヶ丘ニュータウンン内に進める計画としております。
 また、県内における今後の公営住宅整備のあり方については需要動向などを踏まえ、市町村と協議していきたいと考えております。

Q2.農業問題について

1.塩害対策と酒米混入について
 この度の台風は、200億円を超える甚大な農作物被害をもたらしましたが、とりわけ、本荘・由利地域など沿岸部における塩害は、過去に経験したことのない深刻な状況にあります。
 このため、県としては、経営維持に必要な「融資制度」と経営基盤の再建のための「補助制度」を創設し、農家経営が、一刻も早く立ち直ることができるよう、全力を挙げて支援してまいりたいと考えております。
 こうした災害に対する救済策は、県民全てに公平に実施することが行政の役割であり、このうち、融資制度については、災害時における最低限の営農基盤の確保と生活の維持に必要な資金を貸し付けるという制度の趣旨から、全ての被災農家を対象としております。
 一方、補助制度のうち、種子対策など、米の生産に関する直接的な補助については、新たな米政策でも、米の需給調整が重要な課題となっていることから、これまでの補助制度と同様に、生産調整の協力者に限定したところであります。今後とも、災害時の対策に当たっては、こうした基本的な方針のもとに、被災者の支援を行ってまいります。
 次に「ひとめぼれ」の酒米混入問題についてでありますが、その原因の検証と再発防止策の策定は、原原種を供給している、県自らが取り組むべきものであり、ほ場の管理状況や全ての作業行程について、綿密に調査し、原因の究明と対策の検討を行っております。
 しかしながら、再発防止策を農家や県民の方々に十分納得していただくためには、より高い透明性を確保する必要がありますので、外部の専門家による「調査委員会」を設置し、客観的な立場で、詳細な検証と提言をいただくこととしたものであります。
 今後とも、農業試験場をはじめとする試験研究機関が、本県農業の「拠点」として、その責務を果たしていけるよう、努力してまいります。

2.ほ場整備事業における暗渠排水工事について
 戦略作目の産地づくりを進めるためには、暗渠排水工による水田の汎用化が不可欠であり、また、暗渠排水工は農家から早期実施の要望も多く、出来る限りこれに応えていく必要があります。
 このため、本年度は、地元の理解を得て、排水性能に遜色がなく、経済性に優れたポリエチレン管に変更し、3割以上の工事費の縮減を行い、地元負担を軽減するととともに、工事量の拡大に振り向けております。
 今後、新たに開発される素焼き土管については、排水性能や安定的な供給などが確保され、ポリエチレン管と同等の工事費の場合には、暗渠排水管の選択肢に取り入れてまいります。
 また、暗渠排水工において、起債の活用が可能となった場合は、その活用分を工事費縮減分と併せて、事業量拡大に振り向け、事業の早期完了を図ってまいります。

Q3.介護保険制度について

 急速な高齢化が進む本県においては、介護を必要とする高齢者の増加が予想されますが、介護を受けることなく元気に暮らすことは、県民誰もが願うところであり、自らの意志に基づき自立した生活ができる高齢者を増やすことは、将来の本県全体の活力にもつながる大きな課題であります。
 このため、高齢期に入る前段階から、身体機能の向上に努め、介護を必要としない、あるいは、介護を必要とする期間をできるだけ短くし、生きがいのある充実した人生を送ることが大事であると考えております。
 要支援や要介護となる主な要因としては、「脳卒中」や「痴呆」の他に、下肢の機能低下や栄養状態の悪化、閉じこもり等がきっかけとなって、体を積極的に動かさなくなったことによる身体機能の低下が指摘されております。これらを防止するためには、早めの対応が重要でありますが、これまでは、高齢者自身が問題意識を持ちながらも、加齢によるあきらめやノウハウが不足していることなどから、介護予防にはなかなか取り組めないという実態があったものと思われます。
 このため、「筋力向上トレーニング」、「低栄養予防教室」、「口腔ケア」など効果的な介護予防サービスを適切に提供し、自立した高齢者がひとりでも増えるよう、県民運動として重点的に取り組んでまいりたいと考えております。
 今後は、このような取り組みを円滑に行うことができるよう、地域振興局や市町村などが密接に連携するネットワークの構築を図りながら、リハビリテーション・精神医療センターを中心に、新たな介護予防の手法・プログラムの開発をするとともに、指導者を養成する研修のあり方などについて検討を進めてまいります。

Q4.介護保険制度について

 この制度は、高齢者が介護を必要とする状態となっても、日常生活に必要なサービスを提供することにより、家族や隣人とともに住み慣れた環境の中で、可能な限り自立した生活が続けられるよう、「在宅重視」を基本として構築されております。
 この制度がスタートしてから丸3年が経過した現在、本県の要支援・要介護者数は、45,276人となっており、そのうち訪問介護やデイサービスなどの在宅サービスの利用者数は、23,937人と、制度スタート時点と比較して、約2倍の伸びとなっております。依然として特別養護老人ホームなどの施設への志向が根強い中で、多くの利用者が現在の在宅サービスに満足感を持っており、特にサービスが気兼ねなく利用でき、家族介護が軽減されるようになったことは、高く評価されております。
 なかでもこの間、痴呆性高齢者を対象としたグループホームが9カ所から58カ所へ大きく伸びているのが特徴であり、第2期計画においては、こうしたグループホームを住み慣れた地域の介護拠点として、各地に増設することとしております。
 このように、引き続き、在宅重視の理念のもとに、介護の実態に対応したサービス基盤の充実に取り組んでまいります。
 また、国では現在、自宅と施設の中間に新たな生活の場を設けることにより、訪問介護やデイサービス、ショートステイなどの在宅サービスを利用した方が、いよいよ在宅での生活が難しくなった場合には、そのまま入居して生活することができるような仕組みを検討しております。その場では、顔見知りのスタッフから切れ目のないサービスを受けることができ、さらに日中の通所サービス、一時的な宿泊、緊急時や夜間の訪問サービスなどを一体的に提供することが考えられております。
 県といたしましては、これまで、より身近なところで、必要なときに、いつでも、便利で、質の高い介護サービスが受けられるよう、いわゆる「コンビニ型福祉」サービスの仕組みづくりをすすめてきておりますが、基本的な考え方は共通しておりますので、こうした国の考えを踏まえながら、在宅重視に基づいた施策の充実に一層努めてまいりたいと考えております。
 次に、第三者評価の導入についてでありますが、介護保険制度は、利用者が必要なサービスを自ら選択するという仕組みとなっておりますので、良質なサービスを適切に提供するためには、サービスの質の客観的な評価と、その評価に基づいた情報を広く提供することが不可欠であります。
 このため、県では、平成13年度から、各種介護サービスの「自己評価基準」を作成し、それぞれの事業者に対して、すみやかな自己評価の実施と、その結果の市町村や利用者に対する公表を指導してきたところであります。
 また、第三者による評価については、痴呆性高齢者グループホームは、平成14年度から3年計画で実施されており、さらに、平成17年度以降には、訪問介護、通所介護、特別養護老人ホームなど7種類のサービスについても拡大される方向で検討されておりますので、これらの第三者評価の円滑な実施に向けて、県内における評価員の育成や評価機関の選定等、必要な体制づくりを進めてまいります。

Q5.教育問題について

1.今後の義務教育の充実について
 二点目の今後の義務教育の充実についてでありますが、三位一体の改革という大きな流れを教育という立場から積極的にとらえ、本県がこれまで行ってきた教育を一層力強く推進していくことこそ、教育行政を預かる者としての最大の責務であると考えております。時代は自立できる地方の形成を求めています。教育にあっても、地方が創意工夫を)凝らし、特色ある教育を推進していく力を問われています。
 本県では、これまでも「豊かな人間性をはぐくむ学校教育」を目標に掲げ、様々な事業を推進し全国へ発信してまいりました。平成11年度から実施した「ふるさと子どもドリーム事業」は、総合的な学習の時間の先導的な取り組みでありましたし、13年度に全国に先駆けて実施した30人程度学級は、国が学級編成の基準の弾力化を表明する前から積極的に働きかけて実現したものであります。
 国においては少子化や財政難を背景に義務教育の制度改革が進められておりますが、県教育委員会では効率的な教育行政を一層進める中で、子どもたちに確かな力をつけるための教育環境を充実させることこそ今なすべきことであると考えております。まさに「あきた教育新時代創成プログラム」の素案はこのような考えに立って策定いたしました。
 21世紀のグローバルな社会を生き抜いていく子どもたちに、自由な発想や創造力、世界にはばたく気概をはぐくみ、インターネットや英語を駆使する力をつけ、切磋琢磨して学び合う環境を提供しなければなりません。このうような力強い教育を行うための望ましい学校規模をプログラムにおいて示したところであり、市町村が行う学校統合についても県として支援してまいりたいと考えております。
 創成プログラムについては各方面からの意見を参考に更に検討を加え、12月には成案をまとめたいと考えております。本県教育の質を維持・向上させるための確固たる基盤を整備し、次代を担う子どもたちのための学校教育の推進に努めてまいります。

2.司書教諭の配置について
 三点目の司書教諭の配置についてでありますが、現在、県内の小・中学校における司書教諭の有資格者は288人おり、今年度は、12学級以上の全小・中学校108校と、11学級以下の9校で司書教諭が発令されております。司書教諭については、法令上、通常の定数内の教諭をもって充てることになっており、現状では専任は難しいものと考えております。
 県教育委員会としましては司書教諭を中心として学校図書館を機能的に運営することができるよう、効果的な図書館活用を図るための組織づくりについて、管理職への理解・啓発に努めるとともに、司書教諭の研修の充実に取り組んでいるところです。また、司書教諭が発令されていない学校でも、図書館主任が中心となって図書館活用や読書活動の推進が図られてきており、今年度は、96.3パーセントの小・中学校が全校一斉読書活動を、70.5パーセントの学校が読み聞かせを実施しております。
 さらに、県教育委員会では、読書活動を広く県民運動として展開するために、平成14年11月に全図に先駆けて「県民の読書活動推進計画」を策定し、子ども読書支援センターの設置や読み聞かせサポーターの育成などに当たってまいりました。
 このことにより、学校の読書活動に対しての地域の関心も高まってボランティアの協力がより得やすくなり、平成15年度の調査では、64校の小・中学校で、ボランティアを活用しております。また、独白に図書館職員などを配置している市町村もあります。今後は、司書教諭や図書館主任のリーダーシップの下に、図書館の有効活用を図るとともに、市町村や地域の一層の協力を得ながら学校図書館における人的充実に努めてまいります。

Q6.警察の組織再編について

 小田議員からご質問のありました「警察の組織再編について」お答えします。私は、県警察の存在意義は、「県民を犯罪から守るために、どこまで努力できるか」に懸かっていると考えているところであり、着任以来、個々の職員に対して、それぞれの持ち場での懸命の努力を求めるとともに、県警察の施策や制度の全般について、より効率的で有効な治安行政が行えるよう、業務の見直しや制度の改革に積極的に取り組んでまいりました。
 また、警察は人の組織であり、警察力の基本はマンパワーにあることから、厳しい治安情勢の下、県民を犯罪から守るため、県当局、県議会のご理解を得て、引き続き人員・体制の充実に努める必要があると考えているところであります。
 警察組織の再編整備については、このような観点から、警察力強化にむけ、信念をもって推進しているものであり、組織化、スピード化、広域化する犯罪情勢に対処するため、各警察署の機動警ら係を大幅に増員することなどによって機動力を駆使した街頭パトロール活動の充実を図るとともに、各警察施設の配置を現在の諸情勢にあわせた適正規模の、より機能を充実した体制に改めることにより、全県にわたり、警察の初動体制、夜間体制、機動力を強化することを目的としたものであります。
 ご質問の検挙率につきましては、昨年来、組織の総力を挙げて推進している街頭犯罪抑止総合対策の結果、平成15年の検挙率は、前年の38.4パーセントから大きく好転し、45.9パーセントとなり、本年も、8月末現在、47.1パーセントと、全国の検挙率24パーセントを大きく上回る数字となっております。
 もとより、県警察のこの努力は、長期的な「犯罪の増加」という、日本社会のトレンドを逆転させようとするものでありますから、県民各界各層のご理解を得、そのご協力をいただかなければ成果を上げ得ないものであり、現在、組織再編とあわせて推進している「地域安全ネットワークの構築」により、地域住民の皆様への支援と連携を強化することは、治安確保の上で、何よりも重要であると考えております。
 以上、県警察の推進施策について申し述べましたが、議員ご指摘のとおり、安全・安心を願う県民の要望に応えるべき行政の責任は重大であります。県警察は、県民の期待と要望を切実に受け止め、県警の本分たる犯罪捜査を強力に推進するとともに、地域、関係機関が一体となった更なる防犯施策の充実に努めてまいります。

(詳しくは事務所までお問い合せ下さい。)