小田美恵子 6月定例県議会一般質問(要旨)
Q1.地方分権の推進について

1.市町村合併の総括について
 本県の合併は、市町村数の減少率が全国でも7番目となるほど大きく進展しました。これは県民が地域の将来を展望し、地域経営について熱心に議論を交わした結果であり、関係者のご努力に敬意を表します。
 県としては、合併トークや出前講座等の開催、法定協議会への職員の派遣や運営費に対する助成などをはじめ、難航する局面での仲介・斡旋を行いながら私自身が先頭に立って積極的に推進してまいりました。また、平成14年度には、県内を9市とする合併パターンを示し、その必要性や、合併への期待と不安等に関する県民意識調査を実施いたしました。そこでは、きめ細かいサービスを受けられなくなる、役場が遠くなり不便になる、周辺部が取り残されるといった懸念が示されております。
 これらの懸念については、合併協議の中で十分な議論がなされてきましたが、例えば総合支所方式や分庁方式の採用等は、合併を実現するための一つの選択であったと思います。しかし、合併後一年以上が経過した現在、様々な矛盾点や非効率な部分が現れており、組織機構等の見直しの必要が生じております。住民にとって何が一番いいサービスか、再度検証し、さらに踏み込んだ行財政改革の努力を促してまいります。
 同時に、速やかな一体性の確立や地域の均衡のある発展を図ることも今後の大きな課題と考えております。
 こうした観点から、合併後の新しいまちづくりに要する経費に対する合併特例交付金や市町村振興資金等の財政支援、市町村の実情に応じた助言を行ってまいります。また、地域振興局の権限や予算を強化しながら、市町村と一体となった地域づくりに取り組んでまいります。
 現在の国・地方を通じた財政の危機的状況を改革するために、国の規制や関与の大幅な見直しにより、重複行政を排除していく必要があります。その上で、国・地方それぞれの役割分担で、政策の選択と集中や行財政改革を推進し、地域の活性化を進めることが大切であります。
 平成の合併は、まさにこのような地方分権時代における市町村の体制づくりを目指したものであります。
 県としては、地域の活性化が県政の発展に直結するとの認識のもとに、市町村に対する一層の権限移譲を行うとともに、そのサポート役として、地域が安全・安心に暮らせる、夢のあるまちづくりを進めてまいります。

2.道州制について
 真の地方分権の最終的な姿は地方の自立であり、そのためには、国から地方に税源や権限の移譲を大胆に進めた上で、スケールメリットを生かした広域行政を実現する必要があると考えております。
 道州制は、そのための効果的な手段であります。自らの企画力や実行力を向上させることにより、独自の産業政策や地域振興策など、時代に即応した地域経営を行うことができる「力強い自治体」を実現させ、地域の繁栄に大きく貢献できるものと考えております。
 そのため、私は、かねてより市町村合併の次は道州制であると主張してまいりましたが、市町村合併が一段落し、今年の2月に第28次地方制度調査会の答申が出されたことによって、ようやく道州制について国民的な議論ができる環境が整ったと考えております。
 県では、この4月から5月にかけて、「考えよう!道州制タウンミーティング」を各地振興局単位で開催し、県民の率直な感想や意 見を伺ってまいりました。その中では、地域間格差の拡大などを懸念する意見が出されたほか、スケールメリットを生かした観光振興 など、産業の活性化に期待する意見も多く出されました。
 今後は、民間の有識者などで構成する懇談会を設置するほか、県民フォーラムを開催するなど、様々な機会を通じて、道州制に対す る県民の理解が深まるよう努めてまいりたいと考えております。
 また、道州制については、その必要性や道州の担う役割についての議論が先決であり、具体的な区域のあり方は、その後に検討され るべきものと考えております。
 これまでの北東北三県による連携の取り組みは、道州制につながる先行事例とされておりますが、広域的な課題解決のためには、北東北三県に止まらず、他県との連携も重要であります。
 今後は、高速道路の整備や観光振興をはじめとする具体的な課題について山形県などとの連携も進めてまいります。

Q2.少子化について

 人々の価値観や生活スタイルが大きく変わり、多くの女性が仕事を持つなど、社会への参画が進んでいる中、国の調査では、働く女性の約7割が第一子の出産時に離職しており、「仕事か出産か」の二者択一を迫られていると分析しております。
 さらに、男性の育児休業取得率も1パーセントに満たず、家事・育児に費やす時間も一日25分と、世界的にみても最低の水準にあるなど、その負担が女性に集中しているという現実があります。
 こうした現実が少子化問題の背景にあり、解決に向けては、男女があらゆる分野で自立し、共に個性と能力を発揮することができる男女共同参画社会の実現など、男性中心の社会システムの抜本的な変革に、国家的な視点から取り組む必要があると考えております。
 県としては、国に対し、少子化問題の克服に成功した海外の先進事例も参考にしながら、国家百年の大計に立って、法制度や税制度にまで踏み込んだ、真に骨太と呼ばれる大胆な対策を展開するよう、引き続き強く要請してまいります。
 また、男女共同参画社会の形成に向けた意識改革と実践行動の促進をはじめ、子育て負担の軽減や、子育てしやすい職場づくりの推進など、県独自の施策については、多様な角度から分析・検討を加えながら、より一層効果的な推進に努めてまいります。
 もとより少子化対策については、子育て支援だけで実効が上がるものではありません。ご指摘の雇用の場の創出も含めた総合的な対策が必要であり、今後とも全庁を挙げて取り組み、子どもたちの元気な声が満ちあふれる秋田の実現を目指してまいりたいと思います。

Q3.秋田の豊かさを守ることについて

1.農業と秋田について
 あぜ道ミーティングで、様々な集落や経営の現状を目の当たりにし、改めて、秋田の農業・農村の将来に思いを馳せたところであり ます。
 現地を訪れてみて、米だけに頼らず、野菜や畜産、加工などを取り入れ、複合化・多角化に取り組んでいる地域ほど活気があり、ま た、女性が生き生きと活躍し、後縦者も確認されているとの印象を更に強くいたしました。
 今後、本県農業が持続的に発展していくためには、こうした取り組みに見られるような、意欲ある担い手を中心とした生産構造への 転換が急がれます。
 その実現に向け、本県の強みである米や大豆は、認定農業者や集落営農などの担い手に集約し、生産の効率化を図るとともに、これ によって生じる労働力や時間を活用した経営の複合化・多角化を加速し、足腰の強い農業の確立に全力を傾けてまいります。
 巡回の合間に眺める風景、とりわけ、新緑の里山を背に、広々とした水田が水を湛える景色に、農業県秋田の豊かさを感じました。
 こうした「ふるさと秋田」の景観は、水田農業が連綿と営まれることで形造られ、維持されているものであります。
 今後とも、農業・農村の持つ多面的機能の維持・向上を図り、県民に豊かな食などをもたらす、こうした貴重な財産を、次代に引き 継いでいけるよう努めてまいります。

2.生活関連の環境整備について
(1)克雪対策の充実について
 平成18年豪雪では、除排雪体制の連携や雪捨て場の確保、ひとり暮らし高齢者等への支援活動のあり方のほか、行政と地域のコミュニティーがそれぞれ役割分担し、一体となって取り組むことの重要性など、多くのことを学びました。
 県では、この教訓を踏まえ、国、県、市町村や民間団体で構成する総合雪害対策連絡会議を開催し、除雪機材や雪捨て場等に関するデータベースの整備、市町村や関係機関との連携強化、地域やボランティアとの協力体制の確立など、年内に総合的な支援態勢を整備してまいります。

(2)土砂災害について
 土砂災害防止対策として、急傾斜地崩壊対策事業などのハード整備や、土砂災害防止法による危険箇所の周知、警戒避難体制の強化等のソフト対策を実施しております。
 土砂災害の恐れのある区域の危険住宅対策については、がけ地近接等住宅移転事業などにより進めておりますが、一層の促進を図るため、移転支援制度の拡充について、国に要望しているところであります。
 また、土砂災害防止法の特別警戒区域の指定により、移転支援の対象範囲が拡大されることになりますが、この指定については、地域住民の合意が必要であることから、地元市町村と十分な協議を行った上で検討してまいります。
 今後とも、ハード・ソフト一体となった取り組みを進め、安全・安心な県土づくりに努めてまいります。

3.森林を守ることについて
 県では、「水と緑の条例」に基づき、人と自然との豊かなふれあいを通じて、健全な生態系の維持・回復を図るとともに、ふるさとの原風景を大切にしながら、「水と緑の豊かなふるさと秋田」を、次の世代に引き縦いでいくこととしております。
 このため、「あきた21総合計画第3期実施計画」においては、自然豊かな潤いのあるふるさとの森を県民と協働で守り育てるため、森林ボランティアによる植樹活動や海岸林の保全・再生活動などを推進することにしております。
 このたび、有識者による「秋田の森林(もり)づくり検討委員会」を設置し、多様な森づくりの方策や、新税を含め費用負担のあり方についての検討を始めており、年度内に報告書をまとめていただき、条例に示されている理念の具体化に努めてまいります。

Q4.介護保険制度の円滑な運用について

 このたびの制度改正では、介護保険事業の実施主体である市町村が、認知症高齢者グループホーム等のサービス事業所を指定できるようになるなど、より大きな役割と責任を担うことになりました。
 グループホームについては、市町村が要介護高齢者の増加を見込みながら策定した、介護保険事業計画によって整備を進めることができるようになっております。
 このため、今回の計画期間においては、あらかじめ予定した事業を適正に行うことにより、保険料との収支バランスがとれた財政運営ができるものと思います。
 しかしながら、概ね十年後を見据えたとき、サービスの増加傾向がこのまま推移すると、介護に要する費用全体が、現在の二倍近い千四百億円余りと見込まれ、財政的には厳しい状況に直面することも考えられます。
 こうしたことから、今後、市町村や関係団体との連携のもと、生涯にわたって、健康長寿社会を目指した健康づくりを推進するとともに、「筋力向上トレーニング」や「栄養指導」などの介護予防事業を積極的に実施し、給付費の適正化を進めていく必要があると考えております。

Q5.男女共同参画社会について

 私は、早くから男女共同参画に大きな関心を持っており、横手市長に就任以来、このことを行政の重要な課題として積極的に取り組んでまいりました。
 少子化や人口減少が進行し、また、価値観が多様化していく中にあって、成熟した21世紀の社会の活力を維持していくキーワードは、男女共同参画の実現であります。
 このため県では、男女共同参画推進計画の策定や条例の制定、男女共同参画センターの設置のほか、市町村計画の策定支援などに積極的に取り組んでまいりました。
 この間、婦人会館は、様々な学習活動を通して女性の地位向上に取り組み、県のパートナーとしても施策の推進に協力してまいりました。
 こうした中での今回の不明金問題は、あってはならないことであり、誠に遺憾であります。現在、会館自らこの問題の解決に努力しており、早期に自立再生されることを期待しております。
 私は常々「女性が元気なところは地域の元気だ」と申し上げながら、女性の参画拡大や能力活用を進めてまいりましたが、依然として男女の格差は大きいものがあります。
 例えば、共働き夫婦の家事・育児時間は、夫の25分に対し妻は4時間であり、女性の1時間当たり賃金は男性の7割にも達しておりません。さらに、男女の地位の平等感に関する世論調査によれば「男性の方が優遇されている」という回答が男性で7割、女性で8割であり、ここ十年間、変化がありません。
 このような男性中心の社会制度や慣行を変えるためには、大きなエネルギーが必要であります。これからの社会は、女性の能力を活用しなければ成り立たないという認識のもと、男女双方が積極的に意識改革に取り組む必要があります。
 誰もが、毎朝「顔を洗うように」当たり前のこととして、男女共同参画が定着するよう、これからも努力してまいります。

Q6.教育問題について

1.義務教育費国庫負担金の堅持について
 小田議員からご質問がありました教育問題2点についてお答えいたします。
 一点目の義務教育費国庫負担金の堅持についてでありますが、義務教育は国の根幹に関わるものであり、日本の全ての子どもたちの教育の「機会均等」、「水準確保」、「無償制」は堅持しなければならないものであり、現行の義務教育制度を維持するための財源は、今後とも、確実に保障されることが必要であると考えております。
 財源確保の在り方については様々な意見がありますが、自由度を増して、地域の実情に応じた特色ある教育を推進することが重要と考えております。

2.人づくりについて
 二点目の人づくりについてでありますが、近年、教員に課せられる仕事は子どもの学力向上にとどまることなく、生徒指導や進路指導、学校内外の安全対策など複雑・多様化してきております。学校では、教職員一人ひとりがこのような教育を取り巻く環境に対応し ながら、日々子どもたちと向き合って教育活動に励んでおりますが、各市町村教育委員会を対象にした調査によりますと、ほとんどの 教育委員会が「教員は多忙である」と認識しております。
 そのため、各学校では、行事や会議の見直し等により仕事の効率化を図るとともに、特定の教職員に仕事が偏ることがないよう互いに協力したり、校内一斉の部活動休止日を設けるなど、健康な職場環境作りに努めているところです。
 県教育委員会としましても、より一層実りある指導を行うためには教職員自身が心身ともに健康で、ゆとりをもって子どもたちに接 することが必要であると考えており、県が実施する調査等の精選や研究委嘱の休止、研修会の見直しなどにより、教員一人ひとりが子どもに関わる時間を確保できるよう努めてまいりたいと考えております。

Q7.県民の安全・安心について

 ご質問のありました「県民の安全・安心について」お答えします。
 始めに、市町村合併後の地域の安全についてであります。
 県警察では、市町村合併に際し、警察署の管轄区域の見直しと併せて、犯罪情勢の変化に的確に対処しうる体制を構築するため、大規模な組織機構の再編を実施いたしました。
 再編の実施後、一年余りを経過した現在の状況を見ますと、パトロール活動が強化されるとともに、事件・事故の発生に際し、より一層、迅速・的確な初動活動が推進されるなど、地域の安全と安心を守る警察活動の活発化が図られております。
 また、再編を契機として、警察と地域住民、自治体等が一体となった地域安全活動の強化を図るため、「地域安全ネットワーク」の構築を推進し、このネットワークを効果的に活用し、地域住民による自主的な地域安全活動の支援と活性化に努めているところであります。
 こうした中で、昨年、当県においては、刑法犯認知件数の4年連続の減少などの成果を挙げておりますが、これも、組織再編による警察活動の強化と地域安全ネットワーク活動を始めとする諸施策が相俟ってなしえたものと認識しているところであります。
 次に、子どもの安全対策についてであります。
 県警察としましては、これまで、声かけ事案等不審者情報の提供に加え、地域住民、学校、自治体等と連携した通学路の安全点検や子どもの見守り活動、「子ども110番の家」の活動や地域安全マップの作成に対する支援、児童・生徒に対する防犯指導等各種施策を実施しているところであります。
 特に、子ども自身の危険を回避する能力の向上を図るため、現在、各小学校と連携し、県内の全ての小学生を対象とした「子ども防犯教室」の実施に取り組んでいるところでありますが、更なる充実を図るため、6月補正予算案として、子ども防犯教室における安全教育のための経費を上程しております。
 今後も学校や地域住民、関係機関等との連携を図りながら、子どもを犯罪から守るための施策を推進してまいります。

(詳しくは事務所までお問い合せ下さい。)