小田美恵子 9月定例県議会一般質問(要旨)
Q1.行財政改革について

1.行財政改革の展望について
 国では800兆円を超える債務残高を抱えるなど、財政が破綻的状況にあり、今後の地方に対する補助金や交付税の支出が不透明な中で、県財政は、社会保障関係費の増加等も見込まれ、基金の取り崩しに頼らざるを得ない厳しい状況が続いております。
 このため、現在策定中の「第4期財政改革推進プログラム」においては、基金の取り崩しから脱却し、財政運営を自立走行させながら、本県の発展を目指す「自立と発展」を基本に据えた改革を実行してまいりたいと考えております。
 とりわけ、歳出削減については、全ての事業について抜本的に見直し、事業の整理統合や補助金の縮減、投資事業の重点化などを行い、「選択と集中」を徹底し、これにより、県勢発展のための産業振興や、その基礎となる人づくり等の施策を重点的に実施できるよう努めてまいります。
 こうした事業の見直しにあたっては、県民生活に密接に関連するものも多く、県民にも痛みを伴うことが避けられないものと考えております。県においても職員の賃金カットや職員数の更なる縮減を実施するなど、痛みを分かち合いながら、この機会を前向きにとらえ、県民とともに地域社会を経営していくという視点で取り組んでまいりたいと考えております。
 現在、健康づくりイベントの開催や河川環境の整備、道路沿線の花壇整備等の多様な分野において県民との協働事業が実施されております。今後も新たな発想と知恵をお互いに出し合い、「元気で住みよい秋田づくり」に県民と一体となって取り組んでまいります。

2.歳出削減の要因について
 私は、知事就任後、財政が危機的状況にあったことから、平成十年度に行政改革大綱を策定し、職員数の縮減や、新たな県債発行の抑制など、徹底した行財政改革に取り組んでまいりました。特に、財政運営につきましては、地方交付税が三割程度削減されたとしても、必要な施策の推進が困難になることのないよう、取り組んできたところであります。
 しかしながら、国においては、三位一体の改革に当たって、国家財政の破綻的状況を踏まえ、財政再建を優先する立場から、地方交付税を一方的かつ大幅に削減いたしました。これにより、本県においては、500億円を超える地方交付税が一挙に減額になり、収支不足を招いたことから、基金の取崩しに頼らざるを得ない予算編成を強いられております。
 この度の集中的かつ緊急的な「更なる財政改革」の取組みは、基金が枯渇する前に収支不足を解消し、本県の自立と発展につながるか、効率的に行われているか、などの観点からゼロベースで見直してまいります。
 また、市町村や関係団体等に対しては、改革の内容について丁寧な説明を行い、ご理解をいただきながら進めてまいりたいと考えております。

3.マニフェストとの整合性について
 平成17年春の知事選挙において、県民の方々にお示しした目標を達成するため、行動計画を策定し、達成に向けた取組を進めているところであります。マニフェストに掲げた行政コストの縮減のうち、職員給与費の削減等は、目標を達成する見込みであります。
 一方で、縮減目標額の約八割を占める投資的経費について、雇用や地域経済に配慮し、事業費の確保に努めたことから、トータルでは目標を下回る見込みとなっております。この度の「更なる財政改革」は、これまでのマニフェストの取組を受け、マニフェストの期間終了後の抜本的な改革として、集中的かつ緊急的に取り組むこととしたものであります。
 この改革においては、「収支不足の解消」や「全事業のゼロベースからの見直し」など、これまで以上に実効性のある目標を掲げており、早急に安定した財政運営を確保してまいりたいと考えております。

4.新税について
 時代や社会を取り巻く状況が大きく変化し、人々の価値観やニーズも多様化・複雑化している中で、行財政運営に対する県民の視線はますます厳しくなっております。とりわけ、「子育て支援と教育充実を推進する将来ビジョン(案)」のように、県民に新たな税負担を求めようとする場合にあっては、県民ニーズを汲み上げることを基本としながら、きめ細かで丁寧な意見交換を行い、県民の思いを見極めていくことが大切だと思います。
 本定例会でお示しする、子育て支援や教育の充実に関する具体的な見直しの方向性についても、県民や子育て中のお母さんたちとの意見交換やアンケート調査などにおける県民の思いに、真撃に耳を傾けた結果であります。その上で、再度、県民との意見交換をしっかりと行うことにより、県民から理解が得られるよう、全力を挙げてまいりたいと思います。
 なお、子育て支援と教育の充実については、国の活力の根幹に関わることであり、施策の充実強化を図るよう、本県においても様々な要望活動を行っております。
 しかしながら、国が抜本的な対策を講じない中で、ただその状況を見守るだけではなく、自らの判断と責任で、次世代の担い手を育む取組を果敢に進めていくことは、地方分権時代における本県の選択だと考えています。

Q2.農業問題について

1.経営安定対策について
 本年度からスタートした品目横断的経営安定対策は、国が進める農政改革の柱の一つとして、農家を一律に支援してきた価格政策から、認定農業者や集落営農組織など、地域農業の将来を担う経営体に対する所得政策に大きく転換したものであります。
 私は、農業就業人口の減少や高齢化が進行する中で、安定した担い手を育成しなければ、本県農業の未来はないという強い思いから、昨年春と秋のあぜ道ミーティングでは「まずは対策に参加して、これを活用することが重要である」と訴えてきました。
 この結果、農家の意識も徐々に変化し、この春までに目標を上回る担い手や組織が育成されましたが、今なお対策への参加を躊躇する方々もおり、不安感を完全に解消したとはいえない状況にあります。
 しかしながら、本県の農業生産構造を大胆に転換し、将来に向けて新たな展望を切り開いていくためには、揺るぎない信念の下に、一つ一つ課題を克服し、本対策を着実に推進していくことが重要であります。
 このため、今後とも、経営体の目指す姿や実現に至る方策など、明確で具体的なビジョンを示しながら、農家が安心して対策に取り組むことができるよう努めるとともに、担い手の経営の安定に向けた各種施策を、集中的に実施してまいります。

2.贈与税納税猶予制度の法人化特例について
 この特例は、集落営農組織の法人化を円滑に推進するため、極めて有効な制度であると考えており、県では、平成20年度以降も継続して措置されるよう、国に対して強く要望してまいりました。その結果、農林水産省では、本制度の重要性を認識され、このたびの税制改正要望に、特例措置をさらに三年延長する内容を盛り込んだところであります。
 県としては、集落営農組織のリーダーや納税猶予の適用を受けている方々に、この制度の周知を徹底するとともに、経営体として発展した組織が、速やかに法人化できるよう個別・具体のサポートに努めてまいります。

3.米価について
 本年産米の価格の先行きが不透明な状況の中で、全農全国本部が、米代金の支払い方法を二段階方式に変更し、米の集荷時には内金として七千円を支払うこととした今回の決定は、本県の稲作経営に深刻な影響を及ぼすものであります。
 とりわけ、肥料等の生産資材の支払いや、借入金の償還等が集中する10月から11月は、農業者が一年で最も資金を必要とする時期であり、この時期に一時的な資金不足が生じることが懸念されます。現在、全農県本部では、7千円の内金に独自の上乗せを行う方向で検討を進めており、近日中に、その金額について結論を出すこととしております。
 県としては、稲作経営に支障が生じないよう、全農県本部に対し、できる限り内金額への上乗せをするとともに、今回の措置に関して農業者に十分な説明を行うよう要請しております。

4.食料自給率について
 我が国は食料の6割以上を海外に依存しており、こうした状況は、極めて憂慮すべきことであると考えております。
 食料の確保は、安全・安心な国民生活の根幹をなすものであることから、私は、国が自らの責務として、50パーセント以上の食料自給率を達成するよう、取り組みを加速すべきであると主張してきたところであります。
 本県の食料自給率は、平成十七年度では164パーセントと全国2位となっておりますが、米を除いた自給率では21パーセントと米に偏重した構造となっております。
 今後は、需要に応じた米生産を進めながら、大豆、野菜等の複合作物の生産を拡大していくことが必要であり、こうした取り組みも食料自給率向上に寄与すると考え、現在、集落営農等の担い手による複合型農業を推進しているところであります。
 また、消費面でも、学校給食への地場産品の活用や直売活動への支援などを通じて、地産地消運動を展開するとともに、食育を推進しながら、栄養バランスの優れた日本型食生活の実践を促しております。
 県としては、こうした取り組みを強化しながら、食料供給県として、安全・安心な食料の安定供給に努め、食料自給率の向上に貢献しますが、国においても、本県と同じスタンスに立って自給率向上に全力投球されるよう要望してまいります。

Q3.安全・安心対策について

1.福祉について
 (1)子どもの虐待について

 秋田の未来を担う子どもたちが、安全・安心に、のびのびと成長できる環境づくりは、県政における重要な課題であり、これまでも「日本一安全・安心な秋田県」を目指した取り組みを推進してまいりました。児童虐待については、相談件数が年々増加しており、昨年度は203件と5年前の約2倍になっております。
 さらに、親元に置くことができず一時保護した児童も5年前に比べ、2倍を超えるなど深刻なケースが多くなっており、虐待防止対策を一層強化していく必要があると考えております。
 このため、県では本年度、北及び南児童相談所長の専任化や、3名の児童福祉司の増員など、体制強化を図ったところであり、相談後速やかに児童の安全確認を行うとともに、心のケアなど、よりきめ細やかな対応をしてまいります。
 また、外部の有識者による「子ども虐待防止対策検討委員会」からの提言を踏まえ、新たに市町村職員を対象に、児童相談所における実地研修を行うとともに、「子ども虐待対応の手引き」を作成し、現場での活用を図ることとしております。
 さらに、関係機関が情報の共有化を図り、対応方針を協議する「要保護児童対策地域協議会」についても、現在未設置の4市町村に対し、年度内に設置するよう、引き続き働きかけてまいります。
 今後も、市町村や関係機関との協働と連携を一層深め、虐待の未然防止や早期発見、早期対応に努めてまいります。

 (2)産科医不足について
 県内の産婦人科医療を行う医療機関は、議員ご指摘のとおり減少しており、本年度に入ってからも、二つの医療機関が分娩の取り扱いを休止するなど、厳しい状況が続いております。産科医不足は、不規則で長時間の勤務体制、医療訴訟の多さなどが大きな要因と指摘されており、本県のみならず、全国共通の課題であります。
 このため、国に対し、医学部定員の削減方針の見直しをはじめ、産科など特定診療科に関する診療報酬上の適切な評価や、女性医師の就業環境の整備を要望しております。
 現在、中央社会保険医療協議会においては、産科等の診療報酬を手厚くする検討が開始されており、厚生労働省の概算要求の中にも、院内保育所の拡充や女性医師バンクの充実、産科医療における無過失補償制度に対する支援などが盛り込まれております。
 県としても、県内の病院において産科等に従事することを条件に、大学院生や研修医に対し修学資金を貸与しているほか、出産、育児により休業している女性医師の復職支援にも取り組んでまりいます。
 今後とも、医師確保対策の充実に努めるとともに、産科医等の確保に関する施策の拡充について、引き続き、全国知事会などあらゆる機会を捉え、国に対し強く要望してまいります。

2.震災対策について
 (1)地震の空白域について

 国の調査によると、本県沖を含む日本海には、いわゆる地震の「空白域」がありますが、観測網の整備や調査・研究は進んでおらず、地震発生のメカニズムや想定される被害等の詳細については解明されていない現状にあります。
 また、この「空白域」を含む北海道から新潟県沖までの「日本海東縁部」では、昭和58年の日本海中部地震、本年7月の新潟県中越沖地震など、近年、多くの大規模な地震が発生しております。
 本県の地震防災対策のためには、この「空白域」の地殻構造などに関する調査・研究が極めて重要でありますが、善が広範囲にわたり、県単独での対応は困難であります。
このような海溝型地震については、予想される被害が広範囲にわたり、県単独での対応は困難であります。
 このため、本年7月、国に対し、日本海東緑部における被害想定調査の実施や地震・津波観測体制の充実強化を要望しており、引き続き、日本海沿岸の各道県と連携しながら、国に対し働きかけてまいります。
 さらに、県民防災の日訓練をはじめとした各種防災訓練や災害時に備えた生活関連物資等の備蓄体制の充実など、地震防災対策を着実に推進してまいります。

 (2)高齢者の避難対策について
 高齢者や乳幼児などの災害時要援護者が、避難生活により体調を崩し、結果的に更なる支援を要するような状況となることは、未然に防がなければなりません。
 このため、本県においては、体育館や学校施設などの一般的な避難所だけではなく、生活環境に特別の配慮がなされた福祉避難所を、要援護者や家族の方々が安心できる身近な場所に確保することが重要と考えております。
 既に一部の市町村では、公民館などの集会施設や、民間を含む温泉保養施設などを避難場所として指定しておりますので、今後は、できるだけ早期に災害時要援護者の避難支援に関する県としての方針を示し、広域的な体制づくりを含め、各市町村における取り組みを支援してまいります。

Q4.教育問題について

1.教職員採用について
 小田議員から質問のありました教育問題についてお答えします。
 一点目の教職員採用についてでありますが、児童生徒数の減少と小・中学校の統廃合の進展により、教職員定数は大きく減少する見込みになっており、ここ数年は小・中学校教員の新規採用ができない状況が想定されます。
 また、今年5月の段階で、本県の正規教員に占める40歳以上の割合は、約7割であるのに対し、20代は2.4パーセント、特に、小学校では1パーセントに満たない状況であります。多彩な経験をもつ人材を広く求めることも重要な観点ではありますが、このまま推移しますと、十年後、20代や30代の教員がほとんどいない状況に陥り、クラブ活動や学校行事の運営をはじめとして、学校全体の活力低下が懸念されます。
 したがいまして、教員の年齢構成の極端なアンバランスを是正することが喫緊の課題であると考えております。
 このため、県として一定の採用枠を確保した上で、採用試験の受験年齢を引き下げて、若い人材をできるだけ多く採用し、子どもたちが、いろいろな世代の教員と触れ合って学習できる環境をつくっていきたいと考えております。

2.県立学校の耐震化について
 二点目の県立学校の耐震化についてでありますが、平成9年度から、順次耐震診断を実施し、補強等が必要な場合は、翌年度以降の当初予算で工事費等を計上して耐震化を図ってきており、今年度は、横手高校、金足農業高校の補強工事を進めているところであります。
 また、平成17、18年度には、旧耐震基準で建てられた校舎等について、「優先度調査」を実施し、耐震化が必要な学校の特定も行ってまいりました。秋田高校、能代高校については、平成18年度に耐震診断を実施し、年度末にその結果が報告されましたが、想定以上の強度不足が判明したことから、関係機関と協議のうえ、早急に対応すべきものと判断し、本議会に予算案を計上したものであります。
 県では、平成19年3月に「県有建築物の耐震改修実施指針」を定め、平成27年度までを目標に耐震化を強力に推進しているところであります。県教育委員会といたしましても、学校統合や改築計画の進捗状況をみながら、児童・生徒が安全で安心して学べる環境を整備することを最優先課題として、計画的に耐震化を図ってまいります。

Q5.男女共同参画社会について

 「ジェンダー・フリー」という用語を使用して、男女の性差を否定したり、男らしさや女らしさの区別をなくして人間の中性化を目指すことは、県民が求める男女共同参画社会とは異なるものと考えております。
 一方、社会通念や慣習の中にある「男性像」、「女性像」のような男女の別、いわゆるジェンダーが、「男は仕事、女は家庭」というような性別による国定的役割分担や偏見等につながっている場合もあります。このように男女共同参画社会の形成を阻害するものについては、見直していく必要があると考えております。
 県としましては、男女が対等なパートナーとしてお互いを認め合い、家庭や職場、地域社会などの場でその個性と能力を発揮できる男女共同参画社会を目指して、今後も女性の社会参画の促進を図り、チャレンジ支援や人材育成等に努めてまいります。
(詳しくは事務所までお問い合せ下さい。)