小田美恵子 9月定例県議会一般質問(要旨)
Q1.地方分権改革について

1.三位一体改革について
 三位一体改革により、3兆円の税源移譲は実現したものの、地方が求めた自由度の拡大は、権限を守ろうとする中央省庁の抵抗により、大部分が負担率の引き下げによる数字合わせに終わることとなってしまいました。
 一方、平成15年度から18年度の間に地方交付税は、5兆円削減されており、現在の地方財政の窮状の主な要因となっております。
 結局のところ、三位一体改革とは、交付税により地方を支える余力がなくなった国が、危機的な財政状況の再建を優先するため、自らの身を削ることもなく、地方に負担を一方的に転嫁したものであり、改革の名に値しないものであったと考えております。
 そして、その痛みは東北地方をはじめとした財政力の弱い地方にとってより大きく、地域間格差の拡大の一因となっていると認識しております。

2.一次勧告について
 国・地方を通じて、現在約800兆円という膨大な累積債務の増加傾向が続く中で、国家財政が破綻すれば、県・市町村そのものの存続すら危ういものとなることから、地方分権改革を進め、自己責任・自己決定のもとで行政サービスを担っていく必要があります。
 そういった意味で第一次勧告は、道路・河川に関する権限の移譲や国の出先機関の改革方針が示されるなど、従来手が付けられなかった分野に踏み込んだ内容となっております。
 また、今後の勧告において、今回の改革の本丸とも言うべき国の出先機関の廃止・縮小や、財源の地方への移譲が具体的に示されるよう期待するものであります。
 ご懸念の財源の問題については、全国知事会や全国市長会・町村会などの地方6団体は、いずれも国から地方への権限移譲にあたって、税財源移譲と一体であることを条件としております。
 昨年12月に本県の地方6団体が開催した「秋田県自治体代表者会議」においても、地方分権改革の推進にあっては「国と地方の役割分担を大胆に見直し、地方で行うべきものについては、事務・権限と財源を一体的に移譲すること」との合意をしており、現在もこの方針に変わりはありません。
 今後ともより一層市町村と連携・協力し、共通認識を深めながら、真の地方分権社会の構築に努めてまいりたいと考えております。

3.道州制について
 道州制は、地方分権改革による権限・財源の移譲をさらに進め、現在の都道府県の枠組を超えて国と地方のあり方を見直し、二重行政の解消を通じて、徹底した行政コストの削減を可能とするものであります。
 現在、我が国は一刻の猶予もないほどに破綻的な財政状況にあり、この逼迫した状況を打開するためにも、スピード感をもって道州制の導入を推進すべきものと考えております。
 そのためには、国に議論を委ねることなく、我々地方自身が充分に議論を行い、必要性を訴えかけていく必要があります。
 一方、私は基礎自治体の状況が、待てばよくなる時代ではないと認識しております。
 そのため、「基礎自治体が体力を養ってから移行する」という待ちの姿勢ではなく、むしろ市町村合併に伴う交付税の優遇措置などにより、体力のあるうちに 導入を進めていくべきと考えております。
 また、道州制の導入を視野に入れて、県としても財源を伴った基礎自治体への権限を一層進めていくとともに、分庁舎方式の見直しなど行政体制の整備を働きかけてまいります。

4.道路特定財源の一般財源化について
 公共交通機関が少なく、移動の手段を車に依存せざるを得ない本県において、地域間の交流・連携を強化し、産業の振興や救急医療の充実を図るためには、高速道路を始め、国道・県道などの生活道路の整備が不可欠であります。
 また、過疎化による生活バス路線の廃止や縮小などにより、高齢者を始めとした交通弱者の移動手段の確保が急務となっております。
 このことから、道路特定財源の一般財源化に当たっては、地方分の総額を確保し、その使途については、道路整備に限らず、地球温暖化防止などの環境対策、交通弱者のためのバス路線の維持や地方鉄道への支援、企業立地や観光振興促進のための高速道路料金の無料化なども対象にしたうえで、地方の裁量に委ねるべきと考えております。
 道路整備に当たって重点的に取り組む施策としては、地方の自立と発展に必要な高速道路ネットワークの早期完成と簡易インターチェンジ設置などによる高速道路の利用促進であります。
 一方、県民の安全・安心確保のための、防災・震災対策や児童・高齢者が安心して歩ける歩道の整備なども優先すべきであります。
 また、橋梁など道路施設の維持管理については、施設の長寿命化に努めるなど、既存施設の有効活用にも積極的に取り組んでまいります。

Q2.財政問題について

1.基金について
 大規模な災害や国による地方財政制度の大幅改正などに対応するためには、財政調整基金と減債基金の2基金については、300億円程度の残高を確保することが望ましいと考えております。
 しかしながら、今後は、地方交付税が減少し、社会保障費が増加していくこと、また、こうした中にあっても県民サービスの水準を維持していく必要があることから、平成25年度には250億円程度にならざるを得ないものと見込んでおります。
 このため、引き続き集中的な財政改革に取り組むとともに、10年先を見据えて、行政体制の見直しによる更なるコスト縮減を図り、基金残高300億円を確保できるよう、最大限努力してまいります。

2.財政健全化比率について
 新たに制定された財政健全化法では、財政の悪化を未然に防止するため、四つの指標で健全性が判断されます。
 本県の19年度決算の速報値でみますと、「実質赤字比率」と「連結実質赤字比率」の二つは、黒字決算であることから該当いたしません。
 また、公営企業等を含めた「実質公債費比率」は、基準の25%に対し、15.2%となっております。
 さらに、第三セクターも含めた「将来負担比率」は、基準の400%に対し、265.7%となっております。
 いずれも基準を大きく下回っており、県債発行の抑制など、全国に先んじて、行財政改革に取り組んできた成果が表れているものと考えております。
 今後とも、特別会計や第三セクターを含め、全体を視野に入れた財政運営を行ってまいります。

Q3.地域振興局の再編について

 今回の再編は、職員配置の集中化と業務の効率化を図り、広域性と専門性を高めることにより、地域振興局の機能を強化するものであります。
 これにより、行政サービスの水準を落とすことなく、現場主義に徹した地域振興を実現できるものと考えております。
 アクションプラン案では、新たな地域振興部の職員は概ね半減しますが、各地域の振興や市町村への支援は、地域振興部に常駐する職員だけでなく、総合振興局の職員も一丸となって行うものであります。
 したがって、地域振興部の職員数の減少が、地域との関わりや市町村への支援を薄くすることには、つながらないことをご理解いただきたいと思います。
 今後、県人口の減少に伴う地方交付税の縮減などにより、県財政はますます厳しくなることが見込まれますので、人件費を縮減し、それを地域活性化のための政策経費に振り向けていかなければならないと考えております。
 災害時の対応については、地域振興部建設課には、従来と同程度の数の技術職員を配置するほか、本局部長級の技術職員を配置して緊急対応に当たらせることとします。
 また、本局には地域危機管理監と危機管理専門員を配置することとしており、大規模な災害時には、地域危機管理監の指揮のもと、本局から機動的に職員を派遣しますので、本庁から派遣するよりもスピーディーな対応が可能となります。
 地域振興局再編については、昨年12月にマスタープラン案をお示しして以来、3回の定例会と5回の閉会中委員会においてご審議いただきました。また、市町村や農協、商工会など各種団体にも、その内容を説明したほか、アンケート調査を実施し、振興局再編に関する県民の意見を伺いました。
 今定例会には、これまでいただいた意見や要望を十分に検討の上、アクションプランの修正案をお示しいたします。
 地域振興局の再編は、新たな時代において更なる行革を進め、地域の活性化を図ろうとするものであり、先送りしてはならない重要な課題でありますので、どうか、ご理解賜りますようお願いいたします。

Q4.農業問題について

1.農業政策について
 現在の国の農業政策は、生産から流通に至る各段階で、補助金や資金制度等の様々な支援策が講じられており、極めて複雑でわかりにくい体系となっていることは事実であります。
 私は、こうした「わかりにくさ」が、一般の方々の農業参入を阻むなど、結果として、農業を停滞させてきた要因の一つとなっていると考え、本県では、県単独の施策の多くを「農業夢プラン応援事業」に一本化してきたところであります.
 また、米価の大幅な上昇が望めない中では、水田経営所得安定策を抜きにして、稲作経営を成立させることは困難な状況にあります.私も、一昨年以来、集落 営農組織の立ち上げなど、その活用に向けた取組を、積極的に推進してまいりました。
 しかしながら、この仕組みも、米価の下落が長期間に及ぶ場合には、補てんの水準が低下し続けるという問題点を抱えており、最近の燃油・資材の高騰による経営コストの上昇もあって、稲作経営の収益性は総じて低下傾向にあります。
 こうした状況から、私は、担い手の方々の底の見えない不安を解消するためには、国の水田経営所得安定策に、直接支払い的な要素を取り入れていくことが必要と考えております。
 しかしながら、こうした仕組みは、多額の財政支出を伴い、国民の十分な理解が必要となることから、今後、政府が、食料自給率50パーセントに向けた工程表などに、どのように盛り込むのか注視しております。

2.食料自給率について
 食料の確保は、安全で安心な国民生活の根幹を成すものであり、私は常々、国が自らの責任において、早期に50パーセント以上の自給率を確保するよう主張してまいりました。
 こうした中、穀物需給の世界的な逼迫等を背景に、食料問題は大きな関心を集めており、消費者の目が食と農に向いている今こそ、農業県秋田が先頭に立って、互いの信頼関係のもとに、実効性のある自給率向上対策に取り組んでいくべきと考えております。
 そのため県では、担い手の経営が成り立つことを前提に、コスト削減や収量アップに向けた生産システムの構築、農商工連携による農産物の需要拡大、これらに必要な政策支援などについて、現在、検討を深めております。
 県といたしましては、こうした取組を通じて、全国屈指の面積を誇る水田を徹底的に使い切り、飼料用や米粉用といった多用途米や、大豆などの生産と需要を 拡大していきたいと考えております。
 更に、こうした取組と伴せ、消費者に多様な食料を安定的に供給し、担い手の所得を確保するために、野菜や畜産などの複合経営に対する支援も行いながら、本県の総合的な自給カの向上に努めてまいります。

3.畜産について
 ここ数年続いた子牛の高値が沈静化し、飼料高とも相まって、肉用牛繁殖経営の収益性は低下してきております。
 このため、県では生産者と一体となって、収益確保の上で一番重要な繁殖成績の向上や事故率の低減、稲発酵粗飼料の増産などによる体質改善を進めております。
 一方、本県の肉用牛は、15年ぶりに増頭に転じ、ブランド力も向上しつつありますが、これは17年度から意欲的な担い手を対象に、大規模で競争力のある経営体の育成を図ってきた成果であると考えております。
 今後も生産性の向上と飼料自給率の向上による低コスト化を一層進めるとともに、夢プラン事業による規模拡大への支援などにより、大規模経営体を牽引役として、更なる増頭を図ってまいります。
 また、県内の母牛については、6割まで遺伝的能力の解析が進んでおり、その能力も年々向上していることから、これを活用して、「篤桜」や「龍平」などの 県産種雄牛との交配の組合せを提示し、優良な子牛の生産を促進してまいります。
 次に、環境対策についてでありますが、10頭を超えた肉用牛農家は、家畜排せつ物法に基づく処理施設の整備をほぼ終了しております。
 今後、増頭により堆肥舎の整備が必要となる農家に対しては、制度資金やリース事業の活用、県内各地の大規模共同処理施設への搬入を催すとともに、需給ネットワークの活用により堆肥の利用を推進してまいります。

Q5.秋田力について

1.都市鉱山について
 レアメタル等の金属は、IT産業をはじめ国内産業に欠かせない貴重な資源であり、その安定的な確保のためには、使用済み小型家電等の、いわゆる「都市鉱山」からの資源回収が重要であるのは、ご指摘のとおりです。
 このため、リサイクル産業が集積する本県の強みを活かし、全国に先駆け、平成18年度から、大館市など県北部地域を対象に大学や市町村、関連企業等と連携し、リサイクルに向けた使用済み小型家電の収集試験に取り組んでおります。
 この10月からは、さらに多くの市町村やスーパー、家電販売店などの協力を得て、収集範囲を全県域に拡大し、広域的な調査を行うこととしております。
 使用済み小型家電のリサイクルを本格的に推進していくためには、市町村の区域を超えた広域的な収集システムが不可欠であり、国に対し、円滑な収集・運搬 が可能となる制度の創設等を、提案・要望してまいりました。
 このような要望等を受け、国においては、来年度から、本県の取組を参考としたレアメタルリサイクルの推進を検討しておりますが、今後は、地域の実情に応じたシステムができるような制度的枠組について提案するなど、さらに要望を強めてまいります。

2.風力発電について
 本県は、地形的、風況的に風力発電に適していることから、積極的に導入を進めてきており、その結果、現在までに、122,000キロワットの発電量に達しております。
 また、最近では、県内数カ所において市民風車の建設計画が具体化しつつあり、県民の関心も高まってきております。
 今後、さらに導入を推進するためには、設置コストの低減や出力の安定確保などが課題となっており、グリーン電力制度を含めた導入支援措置の拡充や技術開発の推進について、引き続き、団や関係機関に働きかけてまいります。
 併せて、風力発電をはじめとした新エネルギーの導入の意義や支援措置等についても、11月に開催する「新エネルギー機器等展示会」等の機会を通じ、普及啓発に努めてまいります。

3.環日本海シーアンドレール構想について
 秋田港は、経済成長の著しい極東ロシアや中国東北部に近いという地理的優位性を有しており、環日本海諸国との物流拠点を目指す本県にとって、大きな強みであります。
 本構想の実現に向けては、その前提条件となるロシア沿海州とのコンテナ航路に目処をつけることが重要であることから、この7月にロシアの船会社と航路開設に関する覚書を取り交わしてまいりました。
 現在、本航路の代理店間で、運賃やルート設定など具体的な条件を詰めておりますが、県としても、本航路の利用貨物と見込まれる輸入製材や、輸出が期待される中古自動車部品、中古タイヤなどの貨物の集荷に向け、関係企業に働きかけております。
 一方、インフラ関係では、鉄道と港湾を円滑に結ぶための施設整備が課題となっております。
 このため、外港地区に整備を予定している国際コンテナターミナルに接続するための鉄道延伸ルートやコンテナ積み替え施設の基本調査を進めており、年末を目処に取りまとめてまいります。
 いずれにしても、官民一体となってポートセールスとインフラ整備等を進め、一日も早い構想実現につなげてまいりたいと考えております。

Q6.医療について

 医師不足が深刻化している中、県民の医療の充実を図るためには、県、大学、医療機関が一体となった取組が何よりも重要であります。
 このため、県では、本年10月、秋田大学医学部に「総合地域医療推進学講座」を開設し、地域医療を担う医師を養成するとともに、医師不足の要因の分析や地域備在の解消に向けた研究を行うこととしております。
 また、県内14の臨床研修病院と共同で、医学生に対する病院説明会や指導医への講習会を開催し、研修医の確保に努めるなど、臨床研修体制の充実を図っております。
 今後とも、大学をはじめとする関係機関との連携を密にし、県民の安全・安心のため、医師不足対策に全力を挙げて取り組んでまいります。
 次に、看護師副院長の設置についてでありますが、本県では、本年6月、民間病院において、看護師の副院長が設置されております。
 医師と看護師が、常にコミュニケーションを図りながら、病院運営に関わることは、医療サービスの充実にも大きな効果が期待できることから、県では、県内病院の看護師を対象に管理能力向上のための研修を実施するなど、資質の向上に努めております。
 いずれにいたしても、看護師を副院長に配置することについては、最適な医療を提供する病院経営の視点に立って、各病院が総合的に判断していくべきものと考えております。

Q7.津波ハザードマップについて

 県内の策定状況は、沿岸の8市町のうち、旧能代市と旧本荘市が策定済みであり、にかは市では今年度の策定に着手しております。
 県では、本年2月に策定した「第四次秋田県地域防災計画」に、「津波ハザードマップの作成・活用」を揚げるとともに、未策定の市長等に対して、マップ作成の必要性について個別に説明を行ってきたところであります。
 本県は、日本海沖に地震空白域を抱えており、マップ作成の緊急性が高いことから、国が提供している「消防防災地理情報システム」を活用した簡易マップの作成手法などについて研修会を開催し、早期の策定について引き続き働きかけてまいります。
 今後、市町村において津波を想定した避難訓練が行われることから、これらの機会を活用し、防災意識の啓発にも取り組んでまいります。
(詳しくは事務所までお問い合せ下さい。)