平成25年度第1回定例会(6月議会) 一般質問(要旨)
 

Q1 知事の政治姿勢について

A
 私が知事に就任した当時は、リーマンショック後の世界的な経済危機の影響などにより、本県の経済雇用情勢はかつてないほど悪化しており、県民の多くが先行きに不安を抱えている状況にありました。
 こうした逆境の中にあって、何より大切なことは、県民の力を結集することであると考え、県議会、市町村、県民の皆様との「対話」を重視し、県政運営にあたってまいりました。
 市町村との関係については、基礎自治体である市町村の役割が重要であることから、「秋田県・市町村協働政策会議」を創設するなど、県と市町村が、対等で自由に意見交換できる環境を整備したところであります。
 施策・事業については、「エリアなかいち」の市街地再開発事業をはじめ、高速道路網の整備や秋田港の機能強化など、長年、懸案となっていた事項について、一定の道筋をつけることができたと考えております。
 また、多くの県民が望んでいる、中核病院の整備、医療確保対策などの医療の充実や、出会い・結婚支援の強化などの少子化対策を推進したほか、経済・雇用対策や農業構造改革など、本県の基本問題の克服に向け、全力で取り組んでまいりました。
 このような様々な取組が、県民の皆様の心にどのように届いたかを推し測るのは、大変難しいことでありますが、多くの方から「様々な課題はあるものの、知事は、一生懸命やっている。」との言葉をかけていただき、大変嬉しく思っております。
 一方、「秋田には雇用の場が少ない。もっと頑張れ。」との声も大きく、これについては、産業構造や歴史的経緯などにより、一朝一夕での解決は難しく、依然として厳しい状況が続いていることから、重い宿題と受け止め、より一層努力する覚悟であります。
 先般、報道された発言については、様々な受け止め方をされておりますが、経済人からは、総じて評価をいただいているように感じております。
 なかには、「何かあれば、国や県、市町村が助けてくれるという意識が、秋田県の発展を阻害している。」と言い切った方もおられます。
 私の発言は、急激なグローバリズムや財政制約の進行、加えて我が国が人口減少社会に突入する中にあって、これからは、好むと好まざるとにかかわらず、自立性がが重んじられる、より厳しい競争社会、いわゆる経済原則に則った社会構造になることが予想されることから、これに対する心構えを持たなければ、行政はもとより、個人であれ、企業であれ、局面は打開できないということを、危機感を含め、率直に発言したものであります。
 私といたしましては、2期目においてもこれまでと同様に、時代の先行きを見据えながら、現下の社会認識をきっちりと発信しつつ、謙虚に「対話」を進め、県民の皆様とともに知恵を出し合い、一歩一歩しっかりと前へ進んでまいる所存であります。


Q2 地方交付税を巡る問題について

1.合併による交付税の優遇措置の縮小について
A  交付税の合併算定替については、今後段階的に縮減されることとなっており、県内合併市町においては、その影響等も十分織り込み、行政組織のスリム化や財政基盤の強化が進められてきました。また、自立市町村においても、同様の取組がなされてきたところであります。
 しかしながら、本県市町村の行政面積は、合併市町のみならず、自立市町村においても広大であり、かかり増しとなる財政需要があることから、交付税の算定にあたっては、こうした面についても十分考慮される必要があるものと考えております。
 このため、現在、県内全市町村との研究会を設置し、交付税の算定のあり方について検討を進めているところであります。
 県といたしましては、この研究会における検討結果を国に意見提出するほか、地方の実情を踏まえた算定を行うよう国へ要望してまいります。
 なお、地方制度調査会の答申素案はありましたが、今後政府においては、財政再建という流れの中で、交付税に対しては圧縮基調をとるのではないかと懸念していることも事実であります。
2.給与引き下げの要請について
A  この度の要請に係る地方交付税の削減は、交付税に依存しない豊かな団体ほど影響が少ない一方で、財政力が弱く交付税に依存せざるを得ない団体には大きな影響を及ぼすものであります。
 本県においても、現実に交付税の大幅な削減が行われている中で、県民サービスへの影響は避ける必要があり、交付税削減の県財政への影響の見通しや、他の道府県の対応状況などを勘案しながら、これまで熟慮を重ねてまいりました。
 その結果この度、苦渋の決断ではありますが、県民に負担を転嫁できないという観点から、昨年11月から実施している独自の給料減額等も踏まえ、一定程度の給料の減額を行うことは避けて通れないと判断するに至っており、今後、職員団体等との交渉を通じて職員の理解を得てまいりたいと考えております。
 地方公務員給与の問題については、国と地方の協議を十分に経ることが必要であり、今後の地方公務員の給与のあり方についての検討に当たっては、「国と地方の協議の場」等においてしっかり議論し、双方納得の上で進められるべきであると考えております。


Q3 経済・雇用対策について

1.費用対効果について
A  リーマンショックを契機として急速に悪化した県内の経済雇用情勢に対処するため、平成24年度末までに、約4,500億円を予算化し、緊急的な経済・雇用対策を講じてまいりました。
 まず、金融対策については、約2,700億円の予算に対し、企業倒産件数や離職者を対策の実施前後で比較すると、年平均で企業倒産では49件、離職者数では492人減少するなど、全国の推移と比較しても低く抑えられており、経済安定資金等による低利な資金供給が一定の成果を上げたものと考えております。
 新規高卒者の就職対策については、約4億円の予算に対し、約99パーセントの県内就職決定率の水準を維持するなど、求人コーディネーターが小規模事業に対し、積極的に求人の掘り起こし活動を行ったことによる成果と考えております。
 雇用対策については、約290億円の予算に対し、約12,000人の新規雇用を創出するとともに、新規求人倍率を0.05ポイント底上げしていると推測しており、雇用対策基金を活用した施設が一定の成果を上げたものと考えております。
 消費の下支え対策については、約1,500億円の予算に対し、公共事業や住宅リフォーム支援等の実施により、約4,100億円の経済波及効果があったものと推測しており、建設部門を中心に、経済の下支えに貢献したものと考えております。
 こうした取組を通して、リーマンショック発生後、0.28倍まで低下した有効求人倍率が、現在0.69倍まで回復したところであります。
 また、県内経済は、製造業の一部に生産の持ち直しの動きが見られ、個人消費も底堅く推移しておりますが、雇用情勢は改善の動きに足踏み感がうかがわれ、依然として厳しい状況が続いております。
 今後とも、雇用対策基金を活用した事業の検証を踏まえ、安定した雇用形態である正規雇用につなげるための新たな支援策に柔軟に取り組むなど、常に経済雇用情勢を見極めながら、最大限の効果が発揮できるよう、切れ目のない機動的な対策を実施してまいります。
2.雇用を生み出す政策について
A  県では、若年者に対する就業支援のため、求人コーディネーターによる求人の掘り起こしや企業とのマッチング機会の提供など、きめ細かな施策を実施しており、高校生の県内就職決定率は、高い水準を維持しいているものの、職場定着率の向上や、その後の離職者への対応が課題となっております。
 このため、在学中から職業意識を高めるためのキャリア教育を行うとともに、若年離職者に対しては、県内三ヵ所にワンストップセンターを設置し、キャリアカウンセリングなどを行っているほか、必要に応じ次の就職に結びつく就業訓練を実施しているところであります。
 こうした取組を進める一方で、安定的な雇用の受け皿を拡大していくためには、今後とも、時代の変化に対した企業誘致に努めるとともに、県内の各産業において経済基盤の安定した企業を着実に増やし、若年者の就業ニーズにマッチした多様な働き先を確保することが重要と考えております。
 このため、新エネルギーや次世代自動車などをはじめとした、成長が見込まれる分野への新たな参入を加速するほか、本年度中に、「中小企業・地上産業振興条例(仮称)」を制定することとしております。
 本条例の策定に当たっては、サービスの経済化の流れをとらえ、製造業にとどまらず、意欲の高い中小企業を、県民、関係団体、金融機関、研究機関、行政等がオール秋田で支え、小さくとも芯のある「強い企業」に成長できるよう、幅広い産業分野において、支援の方向性を定めてまいります。
 このような取組を通して、広く関係者と意見交換を重ねながら、県内経済を支える様々な産業分野において、若年者にとって魅力ある雇用の場の創出や拡大を図ってまいりたいと考えております。


Q4 環太平洋経済連携協定(TPP)について

A  TPPは、その交渉結果によって、本県はもとより、日本の農業の行く末を大きく左右するものであり、これに備えた実効ある対策を打ち出すためには、何よりも、交渉経過をしっかりと見極め、どの品目が、どの程度の影響を受けるのか、具体的かつ精緻に分析することが必要になると考えております。
 こうした考察を踏まえ、まずは国が基本的な対策を固め、その上で、本県の強みを活かし、弱点を克服する独自の対策を講ずるべきと考えます。
 しかしながら、現状を見ますと、我が国が交渉テーブルに着くのは、早くても7月下旬と見込まれており、米など重要品目の関税撤廃の例外扱いも、予断を許さない状況にあることから、現時点で、具体的な対策を明示することは難しいと考えております。
 これまでに、集落の農地を一手に引き受ける集落型農業法人などの担い手育成や、枝豆日本一などの産地づくりが進展したほか、野菜の産地加工や農家レストランに取り組む農業法人が増加するなど、意欲的な取組も広がってきております。
 今後、本県農業が、国際化の荒波を乗り越えて維持・発展していくためには、こうした担い手育成やトップ産地づくりを更に強化するとともに、外部から資本や技術を積極的に取り入れながら、経営規模の拡大による生産性の向上や、本県が弱いとされる食品加工の導入等により、付加価値を高めることが大切であると考えております。
 このため、就農希望者を対象とした研修制度の充実・強化や園芸作物のメガ団地整備、肉用牛のブランド化などを進めるほか、担い手への農地集積や耕作放棄地の解消に向けた取組など、水田のフル活用を推進してまいります。
 さらに、食品流通の大きな流れとなっているカット野菜や半調理品などの1次加工により、6次産業化へ取組を広げ、本県農業をもう一段高いレベルへ導き、秋田の明日を担う成長産業となるよう全力を注いでまいります。


Q5 人口減少社会への取組について

1.検討するシステムづくりについて
A  日本全体で人口減少、少子高齢化が進む中にあって、本県においては、少子化対策を県政の最重要課題の1つと位置づけ、少子化対策本部を立ち上げて、若者の県内定着から出会い・結婚支援、出産・子育て環境の充実に至るまで、総合的に取り組んできたところであります。
 引き続きこうした取組を進めていく一方、人口減少社会における行政サービスのあり方や、地域社会の活力維持に向けた対策、地域における支え合いのあり方など、人口問題への多面的な対応が迫られているものと認識しております。
 そのため、県が小規模町村への職員派遣や特定事務の受託などの機能支援を行うことによる行政サービス水準の確保や、高齢者などの社会的弱者を、地域の多様な主体が連携して、地域全体で支え合う「秋田型地域支援システム」の構築などについて、具体的な検討を進めることとしております。
 これらを含めた人口減少対策全般については、「第2期ふるさと秋田元気創造プラン(仮称)」を策定する中で、現状を詳細に分析しつつ、多方面から意見をいただきながら、人口減少、少子高齢化の先行県として、先駆的な対応を含め総合的に検討してまいります。
 一方、少子高齢化問題は、全国的にも大きな問題であり、特に数十年後には、大都市部において危機的な状況になるとも言われていることから、今後、国家的な課題として対策を講じていくべきものと認識しております。
 また、現在、国の地方制度調査会においては、今後の基礎自治体の行政サービスの提供のあり方に関し、市町村間のより弾力的な広域連携の制度化や、都道府県による市町村事務の代行処理、いわゆる垂直補完について議論されております。
 本県としては、こうした議論に対して、これまでの県と市町村の機能合体の取組など、現場感覚に基づいた施策を積極的に提言してまいります。
2.待機児童の現状と今後の取組について
A  保育が必要な乳幼児に、これを保障することは大変重要なことであり、「待機児童ゼロ」目指すべき姿であります。
 県内の待機児童は、昨年10月1日では3市で125人、本年4月1日では1市で38人となっております。年度当初には、ほとんどの市町村で待機児童がゼロになりますが、入所希望者が増える年度途中に一部の市において、待機児童が発生するのが近年の傾向であります。
 このため県といたしましては、これまで、認定こども園の設置促進や、市町村が実施する施設整備の支援を行い、待機児童の解消に努めてきているところであります。
 今後は、「子ども・子育て支援新制度」の本格施行に向けた、市町村による保育環境整備のための計画策定について助言・調整を行うとともに、引き続き、施設整備等を支援するなど、「待機児童ゼロ」を目指して取り組んでまいります。
3.児童虐待について
A  平成23年度の本県の児童福祉司1人あたりの虐待対応件数は10件で、全国平均23件の半分以下でありますが、一方、児童福祉司1人当たりの人工は、全国平均の4万8,000人を上回る5万4,300人となっております。
 児童福祉司は虐待対応以外の業務も担っており、また、虐待事案が複雑化しているため、その配置状況について、こうした指標だけで判断するのは難しい面がありますが、本県においては、児童数が減少する中にあっても、職員数の維持に努めている状況であります。
 また、職員に対しては、精神科医、臨床心理士、弁護士など児童相談業務に関する学識経験者を講師とする研修や、県外の研修機関での研修を行っており、虐待への対応力の向上に努めております。
 現在、児童相談所には警察や教員のOBは配置しておりませんが、市町村ごとに要保護児童対策地域協議会を設置して、警察や学校等と連携を図っております。
 具体的には、家庭への立ち入りを想定した警察との合同訓練のほか、小中学校及び幼稚園・保育所の管理職員を対象に、県内3地区で虐待の初期対応に関する研修会を実施しております。
 また、虐待を受けた児童及び保護者へのカウンセリングについては、昨年度は延べ799件実施しております。
 次に、児童虐待の通報があった場合の対応についてでありますが、原則48時間以内に児童相談所や市町村の職員等が直接、児童の安全を確認する体制をとっております。
 昨年度、児童相談所から警察への援助要請が必要となった事案は1件でしたが、警察から児童相談所への虐待通報は44件あり、連携は図られているものと考えております。
児童虐待は、未来ある子どもの心身の成長と人格の形成に重大な影響を与える深刻な問題であることから、関係機関とさらなる連携を図りながら、児童虐待がゼロとなるよう努めてまいります。


Q6 行政の現場から見た課題について

1.職員の力の発揮について
A  多様化する行政ニーズの中で、各職員が意欲を持ってそれぞれの分野で能力を十分発揮し、組織として最大限の成果を上げるよう、職員の希望や適正などを踏まえた適材適所の人事配置と人材育成に努めております。
 特に、主査級への昇任までに少なくとも3つの異なる業務分野を経験させるジョブローテーションを実施することにより、複数の分野を経験させ、バランスのとれた人材として育成するとともに、職員が自ら適性判断できるよう努めております。
 その後は、特定業務での中核職員となれるよう、各人の希望や適正などを考慮しながら人事配置を行っておりますが、ご指摘のあった監査業務については、県政全体が対象となることから、専門的知識と広汎な経験を有する職員を配置しております。
 監査業務に限らず配置できる人数には限りがあることから、全ての職員に特定業務の経験を義務付けることは困難でありますが、県民の貴重な税金を預かっているという視点から、予算執行における無駄の削減や効果的、効率的な事業の推進という意識が身につくよう業務経験を積ませているところであります。
 また、いずれの職場であっても県民生活に関わる重要な仕事でありますので、今後ともそうした全ての職場に目配りしながら、個々人の力を向上させるよう取り組んでまいります。
2.観光の取組について
A  本県観光の振興を図るためには、地域資源の磨き上げや、プロモーションの実施等ソフト面における対策に加え、高速交通ネットワークの形成など、観光振興の基盤となるハード整備を、バランスよく進めていくことが重要であると認識しております。
 例えば、角館においては、観光客の滞在時間の延長を図り、県内観光地のリーディングエリアとしてさらなる発展を目指すため、駅前トイレの快適化のほか、空き家や店舗を観光客と住民との交流の場として活用し、がっこ・茶っこを提供するなど、ハード・ソフト両方の視点から、取り組んでいくこととしております。
 宿泊業におけるリフォーム等に必要な資金の調達については、県の融資制度である経営安定資金などの活用を促すとともに、経営能力の向上を図るため、県観光連盟が主体となって、事業者や金融機関と共に、経営計画やマーケティングなどについて研究しているところであります。
 また、鳥海エリアにおける観光振興については、山形県との広域連携が重要であることから、今後お互いに誘客を図っていくこととしており、ハード面において、秋田・山形・新潟を結ぶ日沿道の整備に目途が付いたことは、近隣県との交流促進を加速化させるものであります。
 このように、観光は、多くのファクターから成り立つものであり、各部局間はもとより、県、連盟、地元自治体、民間事業者等が緊密に連携しながら、観光文化スポーツ部の予算に現れない部分においても対応しているところであり、今後とも、本県を訪れたお客様に、非日常における楽しさを気分良く味わっていただけるよう、ハード・ソフトの両面から鋭意取り組んでまいります。
3.読書活動の推進について
A  小田議員からご質問のありました読書活動の推進についてお答えいたします。
 県では、条例施行後、市町村や民間団体と連携した読書フェスタの開催や、市町村子ども読書活動推進計画の策定に向けた支援など、県民が読書を親しむための気運の情勢や環境整備に努めてまいりました。
 県立図書館においても、県民の多様なニーズに応えるため、電子書籍の提供や、県が所蔵する資料を電子データ化し、保存・公開するデジタルアーカイブの導入など、新たなサービスの提供を開始しております。
 このほか、県立博物館や近代美術館、他県の図書館との連携による特別展示や、コンサートの開催などにより、県民がいってみたいと思う図書館づくりにも努めております。今後も、条例の趣旨を踏まえ、年齢や性別を問わず、読書に親しめる環境整備を推進してまいります。
 なお、駐車場については、敷地内の82台のスペースのほか、近隣の共同駐車場なども合わせ、最大219台の注射スペースを確保しているところであります。
 全国の図書館の運営に目を向けてみますと、市町村を中心に、指定管理者制度を導入している図書館もありますが、県立図書館については、当面は県直営としてまいります。
 また、そのためのプロジェクトチームや図書館協議会において、他県の状況も参考にしながら、「読書活動推進の中核的施設として、県民に役立ち、利用しやすい図書館はどうあるべきか」という視点に立って、検討していく予定であります。

(詳しくは事務所までお問い合せ下さい。)